1章 生ごみを考える2章 微生物と土(その1)(その2)3章 生ごみたい肥をつくってみよう
      
4章 より良い土が健康な環境をつくるサイトマップリンク書籍入手案内
    ビデオ「ふしぎ!生ごみリサイクル」
   
      
プログラム1・生ごみの処理プログラム2・微生物の世界プログラム3・土と植物プログラム4・飽食日本 
        1章 生ごみを考える
              
       米ぬかは悪臭防止の強い見方
米ぬかは、お米を精米したときにでる粉です.新鮮な米ぬかは栄養成分やミネラル、ビタミンを豊富に含み、微生物にとっては食べやすい状態なので、微生物の大好物なのです.米ぬかを食べると微生物はとても元気になります.
生ごみに米ぬかを混ぜこんでおくと、米ぬかは生ごみの水分を吸着し、米ぬかに豊富に常在する
乳酸菌や酵母などが活動を始めます.乳酸菌や酵母は通性嫌気性微生物で通気のないところでも繁殖し、通気の悪い生ごみの中心部で活動する雑菌など嫌気性菌の活動を抑えるので悪臭の発生が少ないのです.
  
         微生物のたい肥づくりリレー
たい肥生産工場では、まず搬入したたい肥原料を微生物の活動に適した含水量に調節します.次に十分な酸素を供給し、温かくします.活動に適した条件のもとで好気性微生物は活発に有機物を分解し、急激に増殖します.最初に活動するのは糸状菌(かび)の仲間です.糸状菌は、生ごみ中の分解しやすい糖類やアミノ酸を食べつくします.活発に活動する微生物の代謝で、たい肥原料の温度は40度以上になります.40度を越すと高温に強い好気性菌[[納豆菌や放線菌の仲間)が現れ、繊維組織(セルロース)や繊維結合組織(ヘミセルロース)などやや固いものを食べます.このように色々な微生物が温度によって棲み分け、遷移しながら役割分担してたい肥をつくります.

好気性微生物の活動により、たい肥原料の温度が高くなり、その
高い熱で肥料原料中の病原菌や大腸菌は死滅してしまいます.安全なたい肥生産のためにも好気性菌の活躍が必要なのです.
学校や家庭での小規模な生ごみ処理容器を使ったたい肥づくりではそんなに高温にはなりません.このような場合、分解と熟成に時間がかかりますが、様々な微生物が死滅せず共存し、有益な微生物の宝庫となります.しかし有害な微生物も生存できる条件なので、腐った生ごみやペットのふんなど入れないで下さい.
        生ごみたい肥づくり − 基本のキ


悪臭を出さずに生ごみを分解する微生物に働いてもらうコツは、「適度な湿り気を与え、通気をよく図り、そして温かくすることです」.たい肥づくりで悪臭が出るのは、ほとんどの場合、空気不足水分過多です.

一向に分解が進まず温かくならないときは、湿り気が足らないことや栄養不足、あるいは温度が低すぎることが考えられます.適度な湿り気を保つよう水を足し、よく混ぜてください.材料を手で握り、湿り気を感じる程度に水分調節し、微生物の大好きな新鮮な米ぬかを混ぜ込み、温かくすると好気性微生物が目を覚まし活動を始めます.

   
たい肥づくりで活躍する微生物の性質を覚えてしまえば、悪臭が出ても自分で改善できるので、生ごみたい肥づくりが楽しくなります.

   



   生ごみの分解を早く進めたいときは、時間のある限り生ごみを細かく刻んでください.
   表面積が大きくなり空気に触れ易くなって、分解はとても早く進みます.
   悪臭を放つごみは、嫌気性菌(雑菌)が増殖した雑菌の固まりですから、可燃ごみとして焼却に出しましょう.