1章 生ごみを考える2章 微生物と土(その1)(その2)3章 生ごみたい肥をつくってみよう
      
4章 より良い土が健康な環境をつくるサイトマップリンク書籍入手案内
     
ビデオ「ふしぎ!生ごみリサイクル」
   
      
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    1章 生ごみを考える 
         
   
                微生物とは
生ごみたい肥つくりでは微生物が活躍します.
微生物とは肉眼で見ることのできない小さな生き物の総称で、おおざっぱに言って10分の1ミリメートル以下の生き物を微生物と呼んでいます.土は微生物の宝庫です.土1グラム、
小さじに軽く一杯の土に数百万から数億の微生物がいます.生ごみなどエサになるものが多く分解が活発に進んでいるたい肥には数億から数十億の微生物がいます.しかし、栄養源がなくなると数は減ります.
  
微生物の種類と大きさ            自然界の微生物
微生物たちを、その生活の仕方で分けると2つに大きく分けることができます.空気(酸素)がある状態を好む好気性の微生物と空気(酸素)のない状態でしか生活できない嫌気性の微生物.他に酸素があってもなくても生活できる通性嫌気性の微生物がいます.ヨーグルトやチーズづくりで活躍する乳酸菌の仲間や、みそ、醤油づくりで活躍する酵母の仲間、人の体内にいる大腸菌の仲間はこの通性嫌気性菌に属します.
種類 特      徴
細菌 好気性細菌 酸素の存在下で生育する.たい肥化で出現するパチルス菌など
絶対的嫌気性菌 酸素が存在しないところで生育.メタン菌、硫黄還元菌など
通性嫌気性 酸素が存在しなくても生育.乳酸菌、大腸菌など
放線菌 好気性菌 たい肥化の後半に出現.抗生物質をつくる
酵母 通性嫌気性菌 発酵でアルコールをつくる
    
 
    
                      たい肥づくりの主役は好気性微生物
       たい肥づくりで活躍する主な微生物たちは、人間と同じように酸素がなくては活動できない好気性の微生物です.
        そしてこの微生物たちはたっぷりの酸素だけでなく適度な湿り気がないと活動できません.
        通気性が良くて適度な湿り気(含水率45%〜60%)があるとき、分解しやすい生ごみをエサに微生物は活発に増殖します.
        また、この微生物は温かいところが大好きなので、日光にあてたりして温かくすると元気に活動します.
        その結果、驚くほど早く生ごみを分解し、たっぷりの水と熱を出します.
        水と熱は、微生物の活発な代謝活動の結果出てくるものです.

生ごみはその80%以上が水分で空気が通りにくいものです.分解の途中でも水が出ますのでそのままほおっておくと生ごみはベタベタと水気の多い状態になります.そうなると、空気のない状態を好む嫌気性の微生物が活動を始めます.



 ↑ Q10(キューテンの法則)
     生ごみの分解は好気的な環境と嫌気的環境でちがう
多くの人は生ごみをごみとして出すとき水切をしっかりしないでビニール袋に入れてきつく縛り、ごみ出しの日まで保管していますね.これではわざわざ嫌気性微生物が活動する条件を整え、悪臭が出るようにしているようなものです.