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生ごみインフォーメーション

生ごみリサイクル全国ネットワークより発信される色々な情報を、このページで提供いたします。
お楽しみにね!
 
 
    
   

家庭でできる生ごみリサイクル法のひとつとして、一部ではダンボール箱を利用する方法が
行われています。
室内ででき、早く乾燥減量するということで関心を持っている方々も多いと思いますが、以下に
述べるように多少心配な面があるので、当ネットワークとしてはこの方法を皆さまにおすすめ
するのを控えています。
  その理由
1)ダンボール箱を利用する方法は、開放的な好気的条件下で行われるので、  乾燥が進み
  悪臭や汚水を出さない点は良いのですが、乾いてくると「ほこり」が舞い上がりやすくなる
  難点があります。

2)「ほこり」にはいろいろな微生物が胞子状になってふくまれていて、中には有害なものがある
  かもしれません。
  ダンボール箱使用では(他の家庭用小型容器」も同様ですが)有害微生物を殺菌するだけの
  熱は出ないし、ほこり自体もアレルギー源になる懸念があります。ダンボール箱でたい肥づくり
  をされる場合は屋外でされることをおすすめしています。

3)当ネットワークでは、生ごみをたい肥に自家処理する場合、屋外でできるコンポスト容器
  (好気条件下で)や大型の通気式容器を活用されることをおすすめしています。

          特定非営利活動法人 生ごみリサイクル全国ネットワーク  2010.05.01 現在
  
 
          
 
         
       
       
     *“生ごみカラット” の価格ご案内もこちらからどうぞ。  
 *生ごみカラットを使った出前講座『生ごみの水分減量とたい肥づくり』のご案内もこちらから。
 
 
       
       食品産業センターからのお知らせ   
       
    情報コーナー
この情報は当会会報「生ごみネット」より抜粋したものです。 
 
   
会報№33
 情報コーナー
■排出しやすい工夫で8400世帯から生ごみ回収―滋賀県甲賀市
 三重県との県境に位置する滋賀県甲賀市では、家庭からの生ごみ分別回収と業者委託による堆肥化の取組を実施しており、現在、総世帯数の26%にあたる8400世帯が分別排出に協力している。
 家庭での生ごみ分別には、まず各家庭で分別用のフタ付きバケツを用意し、これに生ごみとプラントで生産した堆肥を「サンドイッチ方式」で交互に堆積し、臭気を抑制しながら保管。自治会のごみ集積所にセットされている専用の常設ボックスに投入する。回収は週に2回だが、回収ボックスは24時間投入可能である。プラントに搬入された生ごみはまず草や剪定枝、戻し堆肥を加え、直線スクープ方式のレーンで切り返し、約18日間の一次醗酵、約40日間の二次発酵を経て、約60日間で堆肥化する。堆肥は篩いにかけたあと袋詰めし、参加世帯数の分を集積所に配布。各家庭は堆肥を持ち帰り、生ごみの臭気低減のため利用する。プラントの処理能力は日量22㌧で、2010年実績では家庭系1600㌧、事業系1100㌧、剪定枝などを600㌧投入し、950㌧の堆肥を製造した。業者との委託契約では、処理能力のうち日量15㌧を家庭配布分と設定し、収集運搬を含めた処理委託料と堆肥の袋代などを年間契約で負担している。
(月刊廃棄物2011年10月―本誌記者)

■生ごみを液肥化して農業に活用―鳥取県
因幡環境整備㈱は、鳥取県内で家庭系と事業系の生ごみを液肥化して農業に活用、農産物の一部を排出事業者に還元する食品リサイクルループを構築している。現在、智頭町600世帯、八頭町1300世帯、鳥取市内南部地域240世帯の計2140世帯から月間約16㌧の生ごみを回収。事業系の生ごみも含めると、月間約70㌧の生ごみを回収し、約110㌧の液肥を製造している。
 家庭からの生ごみ回収は、集落単位で参加することを基本としている。各戸には分別区分表を配布し、調理くずや食べ残しなどを発生段階で分けてもらう。分別した生ごみはごみステーションに持ち寄り、そこに配置した回収容器に投入してもらう。各ステーションからの容器の回収は、週2回を基本としている。事業所からの生ごみ回収は県内65ヶ所、および県外の食品工場からも回収している。稼働中の液肥化プラントは2台で1日当たり12㌧の処理能力を持つ。目視で異物を除去した生ごみを投入後、粉砕・撹拌・熟成工程を経て、乳酸菌や酵母菌の働きでアミノ酸、有機酸を豊富に含む液肥が約1週間で生成する。これを元肥や追肥として農地に散布すると、土壌が活性化して根の張りがよくなり、作物の糖度がアップするなどの効果があるという。一般農家や住民など200人が利用している。自社農場で栽培した作物の一部は、病院や介護施設に還元している。また産直ショップ「こだわり菜園」も運営している。
(月刊廃棄物2011年10月―本誌記者)

■紙おむつリサイクルで地域ネットワークを強化―福岡県大木町
 2008年にゼロ・ウエイスト宣言を行った福岡県大木町。可燃ごみの11%(重量比)を占める紙おむつについて、モデル地区における3度の回収実験を経て、紙おむつ回収事業を始めた。紙おむつは可燃ごみ用収集袋の約半額となる専用の収集袋(15㍑袋、10枚150円)に入れ、各家庭から町内51カ所(行政区ごとに1~2ヶ所)に設置された回収ボックスへ持ち込む。これを週に2回、町が回収して工場に持ち込み、水溶化処理後、取り出された再生パルプは外壁材などの建材原料に使用される。回収拠点を限定して収集作業の負担を減らすとともに、持ち込み型でプライバシーに配慮し、可燃ごみに対しても価格面で分別メリットをつけた。このおむつ回収事業には紙おむつメーカーが、回収ボックスのリース費用を協賛金という形で負担し協力している。近年、急速に高齢化が進み、大人用紙おむつの利用者増加が予想される国内で、大木町の取り組みが一つのモデルとして注目を集めそうだ。(月刊廃棄物2011年11月より)

■ごみ受入量を昭和40年代水準へ―京都市
京都市は、2010年3月に京都市循環型社会推進基本計画を策定。2020年度のごみ受入量をピーク時(2000年)の半分以下、39万㌧に抑えると云う挑戦的な目標を掲げた。削減のための具体的な重点戦略は、①包装材削減推進京都モデル、②事業ごみの減量対策、③イベント等でのエコ化の推進、④多様な資源ごみ回収の仕組みづくり、⑤バイオマスの利活用の5つ。⑤については、2008年から市内11行政区、2200世帯を対象に生ごみの分別回収を試行。ごみ削減の具体的な重点施策都とともに策定された「京都市バイオマスGO!GO!プラン」では、稲わらや間伐材とともに生ごみ、下水汚泥など廃棄物系バイオマスの利用を推進し、利用率を55%に拡大する予定。(月刊廃棄物2011年11月―本誌記者)

出町商店街新興組合(京都市)は、「エコ商店街事業」のモデル商店街としてごみ減量事業を本格化。店舗からの生ごみを処理機で堆肥化し、地元小学校に提供して環境教育を行う取り組みを展開。八百屋2店舗、総菜屋1店舗、パン屋1店舗から1日当たり5~10㎏回収。これを同市内に設置した生ごみ処理機(30㎏/日)で一次処理した後、更に二次発酵させて約2ヶ月で堆肥化している。
(月刊廃棄物2012年1月より)

■「非営利活動法人ごみじゃぱん」の取組み―兵庫県神戸市
○「ごみじゃぱん」は神戸大学生を中心とした団体で、「減装(減らそう)ショッピング」の活動で容器包装ごみの発生抑制に取り組んでいる。「ごみじゃぱん」が、実際に販売されている商品の中から、容器包装が簡易な商品を「減装商品」として推奨する。活動を展開する店舗では、価格カードの横に「減装商品」のカードを入れたりポスターを掲示したりして、消費者が商品をえらぶ瞬間に、容器包装ごみへの意識を喚起するとともに、販売データ―を分析して、この活動によって商品選択がシフトすることを実証的に顕かにする。
 「減装ショッピング」活動は、2007年に1店舗×1ヶ月、2008年には4店舗×3ヶ月、2009年~2010年には3店舗×12ヶ月と順調に規模を拡大し、2011年11月からは神戸市内全域22店舗以上で期限を決めずに展開するまでになった。今後は神戸市内全域での活動を深化させ基盤を固めるとともに、次の段階での他都市、他地域での展開の準備を行い、ゴールとして全国での展開をめざしている。
 (神戸大学大学院経済学研究科教授:石川雅紀氏―月刊廃棄物2011年12月)
○神戸市は、「ワケトンエコレストラン認定店」の募集受付を始めた。生ごみの再生利用に取り組む飲食店や旅館・ホテルを募集し、認定し、市がPRする。食品リサイクルを推進し、生ごみの資源化促進を図る狙い。
(月刊廃棄物2012年2月より)

■奈良県生駒市の取組み
生駒市は、2011年5月、一般廃棄物処理基本計画「ごみ半減プラン(2011~2020年度)」を打ち出した。
燃えるごみを対象に、10年間でその焼却量を半減させる計画で、柱となるのは、燃えるごみに含まれる資源物の分別回収と、生ごみ、剪定枝などバイオマスの活用だ。
2010年の調査で、燃えるごみにはプラスチック製容器包装やミックスペーパー、生ごみなどが重量割合で約70%混入していることがわかった。市はこれらを資源化可能物として10月からプラスチック製容器包装、および雑紙の分別回収を市内全域で開始。プラスチック製容器包装類は2011年度の半年間で300㌧
程度の回収量を見込み、最終的には年間1300㌧の回収をめざしている。
生ごみ、剪定枝などバイオマスの活用については、生駒市はメタン発酵と残さの堆肥化利用ができるし尿・浄化槽汚泥再生処理設備「エコパーク21」を保有しており、大型店舗の野菜系残さと学校給食の調理残さ(年間約380㌧)、下水汚泥の一部を処理、発電している。此の設備に更に事業系及び家庭系生ごみの投入を検討中。さらに未利用の下水汚泥、剪定枝、刈り草などについても利活用をめざし取り組みを進めている。(月刊廃棄物2011年12月―自治体Todayより)

■生ごみ水切り運動推進事業―新潟市
 新潟市では2011年度「生ごみ水切り運動推進事業」として、生ごみリサイク全国ネットワークが製作している風乾容器「生ごみカラット」のモニター制度を実施した。此の取り組みは2010年度から始めたばかりであり、まだ減量効果としては非常に小さなものであるが、将来的に多くの市民が「生ごみ水切り運動」に参加し、大きな減量効果・ごみ質改善効果を上げることを期待している。
新潟市は2005年に近隣13市町村と広域合併し、2007年度から人口約81万人の政令指定都市として歩み始めた。循環型社会の構築という観点から検討した結果、2008年6月より10種13分別、全市域でのごみ有料化という「新ごみ減量制度」へと移行した。「枝葉・草」を分別し資源化している点が特徴的といえる。
この新制度への移行により、家庭ごみは約3割減少し、資源を含めた総排出量も約2割減少するという大きな効果が得られた。
現在の新潟市における家庭ごみ減量の主要課題は「分別の徹底」と「生ごみ対策」となっている。一般的な生ごみ対策としてコンポスト容器や電動生ごみ処理機への補助メニューを設けているが近年は補助実績が低迷している。そこで、より多くの家庭で気軽に取り組んでもらえる生ごみの水切りを推進する事業を企画した。2010年度は水切りの減量効果を把握するとともに、市民の意識啓発を促すことを目的として、生ごみカラットの他に2つの水切り用具を加え計3種類の用具についてモニター制度を実施した。モニターは広報紙で募集し、3つの用具のうち好きなものをえらんで応募してもらった。83人の市民モニターが集まり
そのうち52人が生ごみカラットを選んだ。モニターには水切り用具と調理秤を配布し、8月の1ヶ月間、
水切り用具の使用と、水切り前と水切り後の生ごみ重量の計測を依頼。生ごみカラットによる減量率が30.7%、他の2種の減量率は6.6%と8.1%だった。このモニタリング結果を踏まえ、2011年度は一歩進んだ生ごみ水切り運動を展開するため、減量効果のもっとも高かった生ごみカラットに絞って普及を図ることとした。モニターのアンケート結果では、使い方によっては失敗するという課題もあったため、生ごみカラットモニターを対象に交流会を開催。アンケートでは捉えられない貴重な生の声を聞くことができ、課題解決のヒントが見えてきた。
 失敗した人は説明会に参加しなかった方が多く、臭いのきつい魚の骨をカラットに入れたり、世帯人数が多く生ごみを詰め込み過ぎたりと、初歩的なミスがあったようだ。一方で、グループでモニターに応募し取り組んでいただいた方は比較的うまくいっていたようである。このことから、最初に使用方法をしっかり伝えることと、一緒に取り組む仲間がいることが重要と考え、2011年度では、生ごみカラットのモニターには必ず使用方法説明会に出席してもらうことを条件とし、カラットを提供した後も3回にわたって開催する定期報告会にできるだけ出席し、交流を図ってもらうこととした。一定範囲の地域内で交流が生まれるように、説明会・報告会は8つの行政区ごとに開催することとした。2011年度は120人超の市民からの応募があった。将来的には市民のネットワークが強化され、自然と「水切り運動」が拡大していくことが理想である。この実現に向けて当面は市もネットワークの形成を後押ししていきたい。
 その他、生ごみ減量に関心のある地域グループとの協働によるモデル事業を2010年度より実施しており、
現在は課題を検証したうえで、本格実施に向けどのような方法がよいかを検討しているところである。その概要は、地元堆肥化処理機メーカーから無償レンタルした処理機を当該地域の学校給食センターに設置し、家庭生ごみと給食残さを一緒に堆肥化するというもので、家庭生ごみは煩雑に持ちこまなくて良いように参加世帯は全て生ごみカラットを利用し乾燥したうえで週1回持ちこむという形を取った。また、できた堆肥は近隣農家に利用してもらい堆肥の評価を聞くと同時に、当該農家とモデル事業への参加住民との交流会を開催し、栽培した野菜を皆で食した。将来的にはこのような地域の活動が主体的・安定的に行われ、農家を交えた食品資源の循環ループが構築できればと期待している。
 自宅で埋めるか、堆肥にするか、水切りだけでもやるか、地域ぐるみで堆肥化するか、市民一人ひとりがこれならできるという取り組みを選べるように、多くのメニューを提示することが市民の協力を得られる鍵ではないかと感じている(新潟市環境部廃棄物政策課:土居哲也氏―月刊廃棄物2011年12月)

■コ・ジェネレーション導入の食品リサイクル複合施設が稼働―宮城県仙台市
 仙台市内で、㈱新興が建設を進めていた食品リサイクル複合施設「新興バイオアーク」が完成し、本格稼働を始めた。動植物性残さや有機性汚泥からバイオガスを抽出し、発電や熱、車両燃料に利用するコ・ジェネレーションシステムを導入。仙台市の工業団地「泉パークタウン工業団地」内に、約29億円を投じてすすめられてきた。農林水産省「地域バイオマス利活用交付金」に採択され約7億円の補助をうけた。敷地面積は2万7972㎡で、バイオガス発酵槽4基を中心に、前処理工程の破砕施設や飼料化施設、油水分離施設、堆肥化施設、RPF施設から成る。場内に搬入された動植物性残さのうち、良質なものは乾燥、乳酸発酵を経て飼料とし、食品残さから分別した包装材はRPF施設で化石代替燃料にする。その他の動植物性残さは前処理施設で細かく破砕し、発酵槽に送られる。発酵槽は1基当たり1200㎥の容量で、この中でメタン菌が活性し、メタンガスと二酸化炭素が発生。取り出したメタンガスは精製工程後にタービンで発電する。発電した電力は所内使用分を除き、特定規模電気事業者(PPS)に売電する。発電規模は最大で1000世帯分の年間消費電力に相当する約515万KWとなる。メタンガス発生後の消化液や含水率の高い有機性汚泥、廃油などは油水分離槽に投入し、曝気槽で活性汚泥処理を行う。消化液は水処理行程を経て下水放流。油水分離、水処理行程を経た濃縮・沈降汚泥やメタンガス発生後の残さは脱水機にかけて堆肥化施設に送られる。堆肥化施設では、破砕した剪定枝や貝殻と混合し、一次発酵槽で5~10日間発酵させる。次に二次発酵槽で醗酵、水分調整や切り返しを行いながら約20日間熟成させて製品化している。近隣に実験農場(約30ヘクタール)を確保し、米や野菜の栽培を行う。※RPF施設:固形燃料化施設
(月刊廃棄物2011年12月―本誌記者)

■全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会の活動
 食品リサイクル法の担い手となるはずの登録再生利用事業者が連絡会を結成し、熱い議論や会議、見学会を
重ね、現行の制度に感じる矛盾や意見を取りまとめ、2011年7月、環境省リサイクル推進室と農水省食品環境対策室に提言書を提出した。
 提言書は、①自治体の焼却手数料の是正、②食品リサイクル法令順守の強化と廃棄物処理法の改正等から成る。
 自治体の焼却手数料については、低価格の設定が食品リサイクルの進まないもっとも大きな要因であると指摘。
食品循環資源は、自治体が税金を投入して焼却することを禁止し、排出者は実態に合った処理原価を負担する施策の実施を求めた。
 法令順守の関連では、まず食リ法への認識の薄い自治体に対して食品リサイクルを義務化、または目標値の設定を行うことと、排出事業者への罰則を強化すること。さらに焼却手数料の是正や自治体への義務付けが困難な場合は、産業廃棄物と一般廃棄物の区分を見直すことなどを盛り込んだ。(月刊廃棄物2011年12月―本誌記者)

■給食残さ堆肥でつくった野菜の収穫―大阪府豊中市
 豊中市では給食の調理くずや食べ残しと剪定枝を混合させ堆肥化する「緑と食品のリサイクルプラザ」を運営、併設する900㎡の農園での農体験を随時受け付けている。(月刊廃棄物2012年1月)

■バイオマス複合利用へー下水処理場核に実証準備
 豊橋技術科学大学の研究チームは、下水処理場を核とした「バイオマス・CO2・熱有効利用拠点の構築」をめざし実証試験に向けた準備を開始する。計画は、愛知県豊橋市の下水処理施設「豊川浄化センター」を
拠点とし、下水汚泥から肥料やバイオガスを生産。その製造過程で得られたCO2を処理場内の植物・海藻工場に供給するとともに、バイオガスからの電気・熱を施設内のエネルギー減として利用する。事業の実施期間は2011~2015まで。総事業費は約6億円を予定している。(月刊廃棄物2012年1月より)

■食品廃棄物の一次処理物熟成に注力
 (有)大場産興(埼玉県入間市)は、食品廃棄物を堆肥化させたものを購入、熟成させて品質を向上、販売する事業に注力している。関東エリアで食品廃棄物を堆肥化するリサイクル施設が増えてきたことから、それらの施設でつくられた一次処理物を低価格で受入れ、同社が保持する種菌を含んだ資材と低価格で受入れた一次処理物を混ぜ合わせ、十分な時間をかけ、熟成させると良質な肥料になるという。品質を保つため、木くずの入っているものや発酵状態の悪い一次処理物は受け入れない。現在、北海道から四国までの農家を対象に、年間500~600㌧の有機肥料を出荷している。(月刊廃棄物2012年1月より)

■自治体で全国最大規模のバイオガス化施設が着工― 新潟県長岡市
 新潟県長岡市が計画を進めている生ごみバイオガス化施設に着工した。処理能力1日当たり65㌧の湿式メタン発酵施設と年間410万kw(一般家庭約1000世帯分)のバイオガス発電設備を備え、CO2を年間2000㌧削減できる。自治体のバイオガス化施設としては全国最大規模。2013年7月の稼働をめざしている。市は事業の開始に先駆け、2013年4月から生ごみの分別収集を開始する。(月刊廃棄物2012年1月より)

■食品リサイクル肥料が検査機関で高評価
食品残さの肥料化と農産物の流通事業を手掛ける「循環資源利用健康推進事業」は、有機肥料の本格販売に乗り出す。奈良県農業総合センターと共同で実施した肥料試検で、その栄養成分や安全性、野菜の育成状況などが高い評価を受けた。「車載型処理システム車」で近隣のスーパーマーケットなどを回り、魚や野菜の調理くずなどを年間120~160㌧回収し、有機肥料の製造を行う。現在、肥料の製造量は年間220~260㌧。50~60人に同肥料を供給し、栽培した野菜を買い取って大手スーパーマーケットへ出荷している。
(月刊廃棄物2012年1月より)

■多分別でリサイクル率5年連続全国1位を達成― 鹿児島県志布志  
 月に1度の、資源ごみの収集日。自治会ごとに設けられたステーションには、26品目を分別排出できるよう、専用のコンテナがズラリと並ぶ。ごみ焼却施設を持たない鹿児島県志布志では、埋立量を減らすため分別収集を強化。その他、生ごみ(堆肥化のため週3回の回収)、小型家電等(月1回)も含めて計29品目を分けている。
リサイクル率は75.4%。2009年度時点で5年連続日本一を達成。
「早朝当番や、地域での声かけなど、市民の協力を得られての結果」と担当者は語る。環境省が実施する一般廃棄物処理実態調査の結果公表は毎年4月。6年目も日本一達成なるか、注目するところだ。
(月刊廃棄物2012年2月より)

■第11回コンポスト学校が受講生を募集
 堆肥・育土研究所主宰の橋本力男氏が受講生を募集している。三重県在住の橋本氏は、1995年から全国各地の生ごみ堆肥化事業に関わり、企業のコンサルタントを行い、講演や技術指導をするなかで、生ごみの減量・堆肥化・栽培技術をトータルに理解・体得した人材養成の必要性を感じ、コンポスト学校を始めた。期間は4月から12月迄。計21回で、1日の授業時間は5~6時間で計110時間に及ぶ本格的な内容。
連絡先はE-mail:r-hashi@e-net.or.jp(月刊廃棄物2012年2月より)

■東京都内最大級80㌧/日の食品廃棄物堆肥化施設が着工
㈱イズミ環境(東京都瑞穂町)は、東京都八王子市内の準工業地域で食品廃棄物と剪定枝から堆肥を製造する[八王子バイオマス・エコセンター](仮称)の建設に着工した。処理能力が1日当たり80㌧という都内最大級となる食品廃棄物の堆肥化施設で、2012年3月までに完成、試運転期間を経て7月開設をめざす。プラントは、日本システム化研㈱が特許を持つ「オズマニックシステム」を核に構成し、約9200㎡の敷地に、堆肥製造棟、熟成・製品棟、剪定枝処理棟、事務所棟の4棟からなる。
 多摩地区を中心に収集運搬業者と連携し、当初はスーパーマーケット、飲食店、学校給食などが排出する生ごみをターゲットにスタートする。オズマニックシステムの特徴は、醗酵期間を短縮できることに加え、臭気を低減でき、排水が発生しないことが特徴。堆肥は袋詰めし、JA、農家、ホームセンター、ゴルフ場などに出荷予定。農家向けには同社がマニアスプレッダーを導入し、散布サービスも行う。
 総事業費は約20億円。設備部分については、農水省の2010年度資源循環型地域活力向上対策補助事業の枠で8億7273万円の補助を得ている。(月刊廃棄物2012年2月より)

■微生物が石油をつくるー「オーランチオキトリウム」
 藻類研究の第一人者として知られる筑波大学大学院生命科学研究科渡辺信教授と筑波大研究チームは、沖縄のマングローブ林の海水と淡水の入り混じる汽水域に生息する「オーランチオキトリウム」という微生物が、石油を生産する能力が高いことを発見した。この微生物は従属栄養生物であるため、増殖には餌となる有機物が必要である。現在、処理に手を焼いている下水、生ごみ、家畜糞尿、食品廃棄物など動植物性残さ(バイオマス・有機物)から石油ができるということなので、まさに夢のような話である。
 2万ヘクタール(休耕地の約5%)の培養面積で日本の年間石油消費量を賄える計算になるので、この技術が完成すれば脱原発が可能になる。
 
 この「オーランチオキトリウム」は、化石燃料の重油に相当する不飽和炭化水素であるスクアレンC30H50を産生し、高効率で細胞内に溜めこむ性質がある。炭化水素をつくり出す藻類は他にも知られていたが
生産コストが800円/㍑程度かかるのが難点だった。「オーランチオキトリウム」を利用することで、その
1/10以下のコストで生産できると期待されている。
 仙台市、筑波大学、東北大学は2011年度から共同で、「オーランチオキトリウム」を培養する実証実験を仙台宮城野区で東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた下水処理施設「南蒲生浄化センター」の生活・産業排水を利用して、3~4年かけての実証実験を本年度内に始める予定。「オーランチオキトリウム」
から石油を抽出する技術は、東北大大学院工学研究科が担う。得られる炭化水素は燃料だけでなく、
化学原料にもなることから、産業振興の面でも期待は大きい。地元企業が参加できるような枠組みも模索するという。(月刊廃棄物2012年2月より)



会報№32 

■千葉県流山市―剪定枝を堆肥化
 同市資源化施設は、今まで可燃ごみとして焼却していた家庭や公園から発生した剪定枝を堆肥やチップに資源化し、年間1000㌧(2010年4月から2011年3月まで)以上が搬入されている。受入れできる剪定枝は、長さ2m以下、太さ20㎝のもので、市民は無料、事業者は10㎏当たり105円(税込)の処理手数料で受け入れている。搬入された剪定枝は計量後、破砕機でチップ化する。堆肥にするものは発酵に適した状態にするため膨潤機でさらに細かくし、醗酵、熟成し堆肥が完成する。量り売りで10㎏50円、袋詰めは10㎏入り袋100円で販売。チップは無料で市民に提供。

■所沢市―町内会の生ごみ収集の取組み
 所沢市では市内で発生するごみの7割は可燃ごみであり、その4割は生ごみであることから、コンポスト容器や電気式生ごみ処理機の購入に助成を行っている。通気式生ごみ保管容器・カラットも水分減量に有効であることから、補助金の対象となっている。市内四ツ葉町内会では、カラスの被害が続出。集積所をめぐっての町内会の争いをさけるため、市の生ごみ資源化モデル事業に参加し、カラットで生ごみを保管し堆肥の原料として出す。収集する生ごみは、市内の養豚農家の堆肥化プラントで、豚糞と共に堆肥化。堆肥は市内農家で活用され、生産した農作物を町内会の朝市で販売するなど取り組みは定着し、カラットの扱いにも慣れてきた。詳しくは「生ごみリサイクルのゆくえ」-埼玉県所沢市民菊一敦子

■生ごみバイオガス化へー隣接下水処理場で実験
 大阪市は2011年から、同市城東区の森ノ宮ごみ焼却工場に集まる生ごみを、隣接する中浜下水処理施設に投入してバイオガスを発生させる実験を始める。バイオガスは、同工場の立替時に新設する発電施設の燃料として活用。同地区で消費する全エネルギーの8割に当たる1万600世帯相当分を創出する計画。現在、森ノ宮ごみ焼却工場で発生する蒸気を暖房用として周辺の大規模団地に供給している。
 新工場が稼働する2021年からは、発電に伴う廃熱を活用した温水も供給する。クリーンエネルギーの活用により、地域外からのエネルギー供給量を約8割削減する予定。

■食品リサイクル堆肥がコシヒカリの食味向上に
 食品リサイクル堆肥を水等に連用することで、米の食味値が向上すると云う研究結果が3月2日、福島県の堆肥等利用促進事業結果報告会で明らかにされた。食品リサイクル堆肥を3年以上使用している水田と使用していない水田について、収穫したコシヒカリを食味計で測定し、データを比較したもの。県農業総合センター生産環境部環境・作物栄養科の佐藤睦人科長が発表した。堆肥の肥料成分(代表値)は窒素3%、リン酸1%、カリ1%で、C/Nは8%と低く、牛フン堆肥などと比較して肥効が早い。
(以上 月刊廃棄物2011年5月号より)

■木質リサイクルチップの品質規格を策定
 NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会は、2010年12月に、木質リサイクルチップの品質規格を策定、チップの加工業者やユーザーをはじめ各方面への周知を図っている。品質規格の対象となるのは、建築・土木工事などで発生する解体材、伐木材、除根材などの建設発生木材、その他の廃棄物に由来する木くず、里山の森林整備で発生する間伐材などをチップ化工したもの。製紙原料やエタノールなどにも使用可能なAランクから敷料、水分調整材などにむくEランクまで5段階ごとに原料や禁忌品、標準的な用途、製造における留意点などにも触れている。関心のある方は、上記NPO法人に問い合わせてください。

■菜の花プロジェクトの栽培面積を72haに拡大
 菜の花栽培を通じて資源循環の仕組み構築を進める「岡山県菜の花プロジェクト推進協議会」(事務局はJA岡山中央会)の栽培面積が、昨年度比46ha増の72ha に拡大することが分かった。昨年は、菜種を4t収穫し食用油を1㌧製造。(以上 月刊廃棄物2011年6月号より)

■上田市ごみ減量アドバイザーの活動
 上田市は1996年、ごみ減量の起爆剤として有料指定袋による可燃ごみ有料化が導入された。有料化導入に対する賛否の議論の中で、有料化を導入するならばごみ減量方法を指導する専門的な人材育成が必要であるとの意見が出され、組織されたのが「ごみ減量アドバイザー
会議」である。以下詳しくは月刊廃棄物2011年6月号24頁を参照

■汚泥・食品残さ肥料が県グリーン商品に認定
 廃棄物の再資源化事業を展開する三光㈱(鳥取県堺港市)は、汚泥・食品残さ肥料「アグリキャップ1号」で鳥取県からグリーン商品の認定を受けた。密閉式縦型発酵槽(中部エコテック製)を3基設置している。1基の処理能力は日量約8㌧。同工場では1ヶ月当たり約250㌧の原料を回収し、約30㌧の肥料を製造する。原料のうち約6~7割が下水処理汚泥で、残りが給食センターなどから回収した食品加工残さ。肥料は、大規模農家や緑化関連企業などへ販売。

■市内完結で飼料化し、ループの豚肉を給食に
 ビルメンテナンスや廃棄物処理業を手掛ける㈱朋栄社(愛知県碧南市)は、飼料化事業を強化し、地域密着型のループ拡大を図る。現在は給食センターから出る残飯などを飼料化し、養豚農家へ供給。この豚肉を給食で使用する取り組み。残さの回収から資料の供給先まで、全ての行程を碧南市内で完結させている。施設には、真空乾燥機(F・E・C社製)を導入。日量1000㎏タイプと同500㎏を1台ずつ設置。同装置は水流によって減圧状態を作り出し、沸点を35~45℃に下げて原料を固体と液体に分離させる仕組み。低温乾燥が可能なため、食品残さのたんぱく質やビタミンを変質させず、良質な資料を製造できる。給食センターから1日当たり約600㎏、青果店から同100㎏の食品残さを回収し、150~200㎏の飼料を製造。1㎏当たり3円で地元の養豚農家へ販売している。約6割が残飯、約2割が野菜かす。製造工程に乳酸菌発酵を加えて品質を向上させると、飼料の整腸作用が高まるとして、養豚農家から好評を得ている。

■ドイツの廃棄物立法・政策と実態
 資源循環―リサイクルの促進、処分廃棄物のゼロ化―バイオ廃棄物の分別と再利用の進展
 1990年代初めから比べると、処分から再利用、廃棄物の資源化、2次原料化へ大きく進んだことが特徴。家庭ごみ、中でも古紙、ガラス、包装、バイオ廃棄物(生ごみ)の60%以上が分別、リサイクルされている。と同時に残留廃棄物としての残りごみも化石燃料を代替し、焼却処分場でさえも高効率のエネルギー利用が行われ、本来処分であるはずの焼却も大半が“サーマルリカバリー”(エネルギーとしてリサイクル)の範疇に入っている。焼却場は例外なく発電、暖房蒸気・温湯・温熱を創りだすコジェネシステムが当たり前となってCO2削減に大きな効果を出している。堆肥化やメタンガス化のためのバイオ廃棄物の分別回収は、まだ法的義務ではないものの行政規則である一般廃棄物技術指針に基づき、ドイツ全体で60%程度(バイエルン州では80%程度)に達している。EU廃棄物一般指令が分別義務を導入したことを受け、ドイツ国内法の循環経済・廃棄物法の改正の一環として、ドイツはバイオ廃棄物の分別義務を導入し、資源化・エネルギー化を一層進めようとしている。
(以上 月刊廃棄物2011年7月号より)

■町田市―家庭生ごみ100%資源化へ
 東京都町田市は、2011年4月に策定した一般廃棄物資源化基本計画の中で、家庭系生ごみの100%資源化を推進する方針を策定した。2020年度を目標に、同年度に見込まれる約2万2000㌧の生ごみのうち、生ごみ処理機で3000㌧、バイオガス化で1万9000㌧の資源化をめざす。資源化方法では家庭での処理を優先し、家庭用生ごみ処理機の普及を促進するほか、集合住宅や地域へは大型処理機の導入を進め、処理物は地域内で活用できるよう市内の農家での利用を促す。堆肥化に適さない生ごみは可燃ごみとして集め、生ごみを機械選別したうえでバイオガス化し、発電などのエネルギーに使う。

■土壌病害虫を抑制する焼酎かす加工液を開発
 焼酎メーカーの雲海酒造㈱(宮崎市)は、宮崎県総合農業試験場と共同で、土壌中の病害虫を抑制できる「焼酎かす加工液」の製造技術を開発した。6月から農家での実証実験を始め、2012年2月の商品化をめざす。新技術は、焼酎かすを固体と液体に分離し、アミノ酸やビタミンなどの成分を調整して、液体部分を凝縮するもの。

■新潟市―家庭の乾燥生ごみをし尿処理施設でメタンに
 新潟市は電動生ごみ処理機で乾燥させた家庭系の生ごみを、し尿処理施設でメタン発酵させガス化する取り組みを6月からスタートした。乾燥生ごみの回収には、市役所廃棄物政策課をはじめ、市内7ヶ所に回収場所を設け、住民には乾燥生ごみをポリ袋に入れて持ち込んでもらう。回収後は清掃センターに搬入し、し尿などの脱水汚泥とまぜてメタン発酵させ、ガスを回収。消化汚泥は発酵させて堆肥化し、堆肥は市民に無料で提供。乾燥生ごみを回収場所に持ち込んだ住民には1㎏につき1ポイントを付与し、5ポイントで景品と交換。年間では700㎏の回収をめざす。

■静岡で家庭系生ごみを民間が資源化する動き
≪御殿場市―8事業者の組合で堆肥化受託≫
 御殿場市一般廃棄物処理事業共同組合は、堆肥化施設「ゆめかまど」の本格稼働を始めた。組合は、御殿場市からの委託で生ごみを収集堆肥化する。ごみ固形燃料(RDF)化していた生ごみの一部を堆肥化に振り向けることで、処理料金の削減が期待されている。組合は、市内の8事業者で構成され、市の一般廃棄物の収集運搬と処理を行っている。
 生ごみの堆肥化については、NPO法人エコハウス御殿場が事業主体となってはじめられたが、2009年度から同事業を組合が継承した。堆肥化施設は6800万円でつくられた。処理能力は1日当たり4.9㌧で好気性発酵させて堆肥にする。
 ≪静岡県藤枝市の場合≫
 ㈱エコライフアシストは、4月から藤枝市との連携で家庭系生ごみの堆肥化を始めた。家庭から分別された生ごみを収集し、同社の中間処理施設「高柳リサイクルセンター」内に設けた堆肥化施設(1日当たり4㌧)で資源化する。  (以上 月刊廃棄物2011年8月号より)

■ピートモス使用に警鐘
 ダンボール箱を使った堆肥づくりの普及が活発に行われているが、なかに特注のダンボール箱をつくり基材をピートモスとモミ殻薫炭に限定して商品として販売するNPO団体が出てきた。
ピートモスの採掘は環境破壊を招くため、COP13(気候変動枠組み条約締約国会議、2007年インドネシア)ではラムサール条約の湿地湿原保全の観点から、さらには生物多様性条約締約国会議(CBD)・国連環境計画(UNEP)は泥炭湿地(泥炭=ピートモス)の炭素固定能力が大きく、地球温暖化防止の観点から、泥炭湿地の開発と採掘を警鐘している。また、食料に係る有機栽培の基本的な政府間ルールを決めるコーデックス委員会のガイドラインではピートモスを規制するように記載された。要するに環境破壊を招くピートモスの採掘は止めましょうとの国際間の合意ができている。そのようなピートモスを堆肥化資材として販売するのはいかがなものかと云う意見が会員から出てきた。以下詳しくは月刊廃棄物2011年9月号「生ごみリサイクルのゆくえ」に掲載。

■清掃工場灰からセシウムー柏で7万ベクレル検出
 千葉県柏市、流山市は、7月11日、各市内の清掃工場で可燃ごみの焼却処理をした際に出た焼却灰から、柏市で1㎏当たり7万800ベクレル、流山市で2万8100ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを報告。国は8000ベクレルを超えた焼却灰は最終処分場で埋め立てず一次保管を求めている。      
(以上 月刊廃棄物2011年9月号より)

■10万ベクレル以下の焼却灰埋め立て、セメント固化などが不可欠
 環境省は、8月31日、放射性物質濃度が1㎏当たり8000ベクレルを超え、10万ベクレルまでの焼却灰の処分方法についての指針をまとめ、47都道府県に通知した。セメントなどによる固化を不可欠とし、地下水などに溶出しないよう①埋め立て区画内に上下側面に透水性の低い土壌の層を隔離層として設け埋め立てる、②鉄筋コンクリートなど長期間耐久性のある容器に入れ埋め立てる、③屋根付き処分場で埋め立てる  の3つから選定。埋め立て後もモニタリングや排水処理など長期的な管理が必要とした。また、放射線物質が安全なレベルに低減するまでの間、放射線の遮蔽の継続は不可欠。そのため適切な覆土の確認、居住地に使用しないなど跡地利用の制限、排水管理の継続などが必要。 (以上 月刊廃棄物2011年10月号より)




会報№31-2011.05
■食品リサイクル事業で顧客の信頼獲得に
 ㈱五十嵐商会が現在、回収している食品残さは1日当たり約5㌧。練馬区内にある97の小中学校をはじめ保育園、福祉施設、特別養護老人ホームなど171ヶ所で、9割以上を区の施設が占める。
施設は東京都北区内にあり、自社の施設で特殊肥料にする事業に取り組み10年目に入った。当初、1日の処理能力は5㌧未満だったが、2年前に処理能力を10.8㌧に増強した。食品残さの回収には通い容器を使い、専用の保冷車で回収する。施設に搬入後、自動反転装置にセットし、食品残さを2基の醗酵機に随時投入していき、一定量がたまったところで醗酵機を稼働させる。最初は食品残さを6割程度投入し、米ぬかと「内城菌」を混ぜ水分調整をしながら4時間程度で醗酵を立ち上げた後、残りの食品残さを投入し、全行程を19時間で終了する。稼働中の臭気は直接燃焼脱臭炉に送り700℃で処理し、その排熱を醗酵機の外周部分に循環させながら高温高速で醗酵を行う仕組み。

■リサイクル肥料のアジア輸出拡大へ
 ㈱熊本清掃社(熊本市)は、今夏から、食品残さを原料としたペレット状の有機肥料「グリーンサプリ」のアジア向け輸出を拡大する。同社は、食品残さ堆肥化事業を「バイオプラザおきしん」(熊本市)と「バイオプラザなごや」(名古屋市)の2ヶ所で展開。家庭系・事業系一般廃棄物を中心に回収し、有機肥料「グリーンサプリ」を製造している。「グリーンサプリ」は、09年12月には、食品リサイクル肥料として認定を受けた。JAや近隣農家のほか、商社を通じて中国に輸出。中国には、月に400㌧輸出し、堆肥生産量の6割を占める。韓国には月100㌧の輸出を計画している。

■都市と地方をつなげるリサイクルループ構築へ
 (有)ドンカメ(栃木県芳賀町)は、学校給食などの公共施設16ヶ所、一般家庭350戸、飲食店など40ヶ所、工業団地立地企業の社員食堂6ヶ所から排出される生ごみや畜産農家の牛フンなどを堆肥化している。
 1日当たり約15㌧を受入れ、おがくずやもみ殻などを水分調整材として堆肥を製造。製品の8割は町内の農家、2割は町外の農家に提供しており、1ヶ月の出荷量は150㌧になる。同社は年に1度、町内の小学3年生を授業の一環として堆肥化施設に招き、農家への訪問と併せて生ごみが堆肥となり農業で活用される過程を見学してもらうことで、循環型農業の大切さを訴えている。また、自社製堆肥は、循環システム研究会の30軒の農家が活用し、収穫した農作物を小・中学校の給食で使い、年に3回は学校給食の時間に農業者を招き交流の場を設けるなど、生きた環境教育にも力を入れている。

■野菜・堆肥を本格販売 数値化で品質向上をめざす
 ㈱東栄商事は、今秋から硝酸イオン濃度を抑えた有機土壌改良材「みのりゴールド」を売り出す。同社は、霞ヶ浦市内にある堆肥化センターでスーパーマーケット、デパートや学校給食センターから食品残さを1ヶ月当たり約80㌧受け入れ堆肥を製造し、土壌改良材として販売している。食品残さのほか、もみ殻、種菌(戻し堆肥)に主成分を納豆菌とした培養液を加え、堆肥をつくっている。堆肥化工程の一次醗酵で種菌(戻し堆肥)と主成分を納豆菌とした培養液を加えることで、臭気の発生を低減できるのが特徴。 
(以上月刊廃棄物№475.2010年10月号より)

■外食チェーン3社が連携し収集効率の高いシステムを構築
 ワタミ㈱は、日本ケンタッキー・フライド・チキン㈱、㈱グリーンハウスフーズと共同で構築した食品リサイクルループで、今年5月に居酒屋チェーンとしては第1号となる再生利用事業計画の認定を受けた。
 このループのポイントは、外食大手3社が連携することで、1店舗当たりの排出量が少ない食品残さを多店舗から効率よく収集して堆肥化するシステムを構築していること。
 ワタミのグループ会社で廃棄物管理業務を手掛けるワタミエコロジー㈱が、東京23区内にある3社の店舗を一括管理して業務の簡素化を図っている。食品残佐野回収は、㈱永野紙興(廃棄物収集運搬業者)が3社の計70店舗を深夜2時ころから専用の車両で回収し、横浜環境保全㈱の堆肥工場に持ち込む。此処で製造された堆肥の一部は千葉県内にあるワタミファームの農場で使い、収穫した作物を店舗のメニューに取り入れる。ワタミファームは全国8ヶ所にあり、今後はループの拡大をめざし外食だけでなく、スーパーなどの小売業とも連携を取り、有機野菜100%が使用されることをめざす。

■ホームセンターを巻き込んだ独自の堆肥化ループを構築
ベイシアグループは、群馬・埼玉県内にある㈱ベイシアのスーパーマーケットと㈱セーブオンのコンビニエンスストアが排出する食品残さを堆肥化して循環利用する取り組みを開始した。食品残佐野回収と堆肥の製造は、㈱サニタリーセンター(本庄市の廃棄物処理業者)が行い、堆肥の販売は同グループのホームセンター㈱カインズが行う。ポイントは、ホームセンターで販売することを前提に、カインズが求める一定の品質基準を満たした堆肥をサニタリーセンターが製造し、それを契約農家にも提供していること。

■ゆうパックを利用した独自のリサイクルループを構築
 中華レストラン「餃子の王将」を展開する㈱王将フードサービスは、広域に展開する外食企業としては第1号となる食品リサイクルループを2009年10月に受けた。このループのポイントは、多くの店舗から少量ずつ排出される食品残さを効率よく肥料化するため、郵便を利用した独自の回収方法を採用していること。生ごみ処理機を各店舗に設置し、オンサイト(敷地内)で一次処理したものを、食品リサイクル事業を手掛ける(有)諸原商店(滋賀県大津市)が引き取り、肥料化する流れをつくっている。同社は、現在、国内・海外で計約560店舗を経営しており、うち直営は362店舗。1店舗の発生量は1日当たり約40~45㎏と多くはないが、店舗数が多いのでまとまると相当量になる。乾燥式生ごみ処理機を各店舗に設置。乾燥処理物をダンボール箱に入れ、諸原商店が運営するリサイクル施設「日野ドリームファーム」(滋賀県日野市)へ着払いで郵送し、肥料化する。
 食材を一次加工して各店舗に配送する同社のセントラルキッチンでは、餃子の皮、麺類、野菜くずなどを飼料化している。(以上月刊廃棄物№476.2010年11月号より)

■BDF100%使用の市営バスを試験運行
 横浜市は、10年10月から地球温暖化対策の一環として市内の学校給食から出る使用済み食用油を利用したバイオディーゼル燃料(BDF)をつくり、精製したBDFを市営バスの燃料と市内の水再生センター3ヶ所で使っている。今回市営バスの2車両を運行することで、年間、CO2を約104㌧削減できる見込み。

■横浜市、清掃工場への搬入制限で一気にリサイクルへ誘導
 横浜市は2002年度に策定した「横浜G30プラン」で、09年度までに42.2%のごみ削減を達成するなど大きな成果を上げている。その大きな要因の1つが、まだ可燃ごみとして排出されていた古紙をリサイクルへと誘導したことである。家庭系の古紙については行政回収を行う一方、市民には集団回収への参加を推進してきた。
 年間10万㌧弱だった10年前と比べて集団回収量は大幅に増加、09年度実績は17万㌧2470㌧で行政回収量の2万5999㌧を大きく上回っている。回収団体数も過去最高の3961団体に達した。
 2つ目は、事業系ごみ対策。G30を達成する上で大きな牽引力となった。基準年にあたる2001年度の事業系ごみ量は67万4394㌧だったが、09年度には31万8428㌧と半減。排出事業者への分別指導の強化と併せて、威力を発揮したのは清掃工場における搬入車両の展開検査である。
 04年度から各工場に警察OBを検査員として常時2~3人配置するとともに、搬入した廃棄物をベルトコンベア上に展開し検査する搬入物検査装置を国内で初めて導入。不適正な搬入や分別状況が悪い時は口頭注意、明らかな搬入禁止物は全量を持ち帰らせた。
 検査の効果は一目瞭然。04年度、検査台数が4万923台、不適正搬入台数が5240台だったのに対し、09年度には検査台数16万4095台と大幅にアップしたにもかかわらず、不適正搬入台数は517台(持ち帰り台数は32台)と激減している。一般廃棄物対策課の係長は、「収集運搬業者には適正搬入の決まりがほぼ浸透したと思う。今後は排出事業者にもっと分別資源化の意識を高めてもらうことが重要」と語る。

■農事組合法人和郷園のリサイクル施設を見学
 全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会は、10月、和郷園のリサイクルセンターを見学した。
 このセンタ-では、同組合の野菜加工工場やサミット店舗から野菜残さを受入れ、破砕・脱水後、搾り液はバイオガスと液肥に、野菜残さは堆肥にそれぞれリサイクルしている。バイオガス施設では、搾り液を隣接する牧場から出る牛フン尿とともにメタン発酵させ、生成した液体肥料は生産農家に、バイオガスは生成したうえでコ・ジェネレーション設備で発電し施設内の電力として利用するほか、フォークリフトや自動車の燃料として利用している。野菜残さは堆肥化設備で1次醗酵させたあと、牛フンと混ぜて堆肥化し、組合員に提供している。説明にあたった阿部邦夫さんは、「バイオガスプラントは液肥製造装置。液肥を使い切って農業で利益を上げないと儲からない」という。

■公設民営で下水汚泥を固形燃料化
 熊本市は、下水処理の過程で出る汚泥を固形燃料化し、火力発電の燃料などとして販売する計画を公表した。市水道建設課によると現在、市内では下水処理に伴い1日当たり約79㌧の汚泥が発生し、このうち29㌧は民間業者に委託し、セメントなどの原料としているが、残り50㌧は焼却炉で燃やした後に埋立ている。
 この50㌧を乾燥や炭化処理により固形燃料化し、石炭の代替燃料として火力発電所等に1㌧当たり100円程度で売却する予定。焼却と比較すると、試算では年間樹木約20万本分の吸収量に相当する約2900㌧の○○を削減できるという。新施設は、市が施設の建設費や維持管理費を負担し、民間会社が運営する「公設民営」方式をとる。

■全国初、下水汚泥由来バイオガスを家庭へ供給開始
 兵庫県神戸市、㈱神鋼環境ソリューション、大阪ガス㈱は、10月に神戸市東灘処理場に下水汚泥由来のバイオガスを都市ガスとして使えるように精製する設備を完成。大阪ガスの導管に直接注入する事業を開始した。バイオガスを直接導管に受入れ、家庭などに供給するのは全国初の試み。同事業では、神戸市がバイオガスの供給、、㈱神鋼環境ソリューションが設備の建設・運営、大阪ガスがガスの買取・供給を担当する。
 計画では、年間約80万立方m、約2000戸相当のバイオガスを精製し、大阪ガスがすべて買い取る。これに拠るco2削減率は年間1200㌧となっている。

■ミカン搾りカスを燃料化、実証プラントが完成
愛媛県は10月、ミカンの搾りカスからバイオエタノールを製造する実証プラントをえひめ㈱飲料松山工場内(松山市)に完成。11月中旬から来年2月まで試験運転を実施し、製造技術を確立する。ミカンかすを原料としたエタノール精製施設は全国初。        (以上月刊廃棄物№477.2010年12月号より)

■神奈川県平塚市 大型生ごみ処理機を設置 セキュリティーカードを発行
 市は、11月、めぐみが丘自治会館の敷地内に食品リサイクル機器「マジックバイオくんTECH-
550-A1」を設置した。同機は、微生物の働きで生ごみを水蒸気と炭素ガスに分解するバイオ式。
 モデル事業開始にあたっては、自治会と話し合い、約100世帯を対象に生ごみの排出量を1世帯500gと想定し、1日50㎏処理できる機械を導入した。しかし、実際の開始にあたっては予想数の2.5倍の申込みがきて、どのように対処するか検討中。同機は、現在、24時間いつでも利用が可能なため、防犯面や安全面からフェンスで囲い、フェンスの中にも暗証番号入りのセキュリティーカードがなければ入れない状態になっている。

■千葉県、飲食店での「食べきり」促進へ
 県は、県内で営業する飲食店や食品を扱う小売店を対象に、「ちば食べきりエコスタイル協力事業者」の登録制度をスタートした。県が進める家庭や飲食店での食品廃棄物削減運動「食べエコ」の一環で、登録事業者は店頭に「ちば食べエコ」キャラクターの「ノコサーヌ」が描かれたステッカーを張って消費者に協力を呼びかける。
 登録事業者は①小盛り、ハーフサイズの設定など利用者の要望に沿った量での提供、②食べ残した料理について持ち帰りの要望があった場合の状況に応じた対応、③宴会等における食べきりの呼びかけ実施、④ポスター等掲示による啓発活動の実施、⑤食料品の量り売り、バラ売り等の実施等。期間は13年3月末まで。

■大型バイオマス発電施設を仙台に、来春オープンへ
 ㈱新興(宮城県仙台市)は、11年3月、市の泉パークタウン工業団地に1日当たり最大372㌧の食品残さを受入れできる日本最大規模のバイオマス発電施設を完成させ、4月には稼働を開始する。2.8ヘクタールの敷地にバイオガス化施設や堆肥化施設を設ける。施設はバイオガス化、堆肥化、飼料化のラインを設ける。1日当たり動植物性残さ160㌧、有機性汚泥207㌧、飼料5㌧の処理能力を持つ。事業を進める環境整備事業協働組合には、19社の組合員が加入しており、宮城県内のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、レストラン、ホテル、やパン工房から排出される食品残さを回収している。食品残さと包装、容器を分別し、飼料とRPFにする。
 次にメタン発酵槽で食品残さをガス化させ、コージェネレーションシステムによって1時間に800kwの発電を行う。得られた電力を施設内で利用するほか余剰分は電力会社に売却。団地内を走るシャトルバス5台に使う。
 メタン発酵後の残さは堆肥化施設で肥料を生産し、自社の農場に施しながらリサイクルループの構築も目指している。

■生ごみメタンガス化施設、自治体最大規模で着工へ
 新潟県長岡市は、家庭や事業所の生ごみからメタンガスを発生させ、発電用燃料に転用する大型バイオガス化処理施設をしの環境衛生センター敷地内に建設する。建設予定の施設は、同市で年間約2万㌧発生する生ごみをすべて処理する能力を持ち、自治体が運営する施設としては全国最大規模となる。11年度に着工し、13年7月の稼働をめざす。この施設の処理能力は1日あたり65㌧。発電量は、一般家庭約1000戸分に相当する年間約
410万kwで、施設の全電力量と環境衛生センターの電力の半分を賄う計画。醗酵処理後の残さは、全量を吾妻バイオパワー(群馬県)のバイオマス発電所に1㌧100円程度で売却し、燃料として活用される。稼働後15年間の運営費などを含めて約44億8000万円で、JFEエンジニアリング㈱(東京都)など5社のグループが落札。した。

■滋賀県内に1日当たり50㌧規模の液状飼料化設備を納入
 リキッド飼料製造設備で廃棄物処理業者に約10件の販売実績を持つ㈱OTTO(東京都中央区)は、新たに滋賀県内の事業者に1日50㌧の処理能力を持つ設備を納入した。このシステムは、食品工場から排出される廃棄飲料や牛乳など液状廃棄物、パンくずなどの艦物・固形物、包装済み食品廃棄物の3種類の残さを受入れ、破砕や分別などの前処理を行った後、PH調整や乳酸発酵を行ってリキッド飼料を製造するもの。行程中に80℃で3分間加熱殺菌する設備も取り入れ、飼料の安全性を高めている。このリキッド飼料化設備は、構成機器を海外調達することによりコストを抑えている。1日50㌧処理の規模で建設費は1億円程度という。
(以上月刊廃棄物№478.2011年1月号より)

■道の駅に生ごみ処理機 堆肥化のループ構築
 ㈱西村工務店(兵庫県香美町)は、道の駅を運営するむらおか振興公社(同町)と共同で、生ごみを原料とした堆肥「村岡エコンポスト」の製造を始めた。地元農家とも連携し、食品リサイクルループも構築している。今後、生ごみ処理機の代理店として、地域の旅館や民宿などへループ構築の提案を行っていく予定。約1年前から、道の駅「村岡ファームガーデン」敷地内に、バイオ式生ごみ処理機(30㎏/日)を設置。堆肥の実用化にこぎつけ22年9月6日付けで特殊肥料生産業者としての届け出が受理された。現在、敷地内のレストランから出る食品残さ1日当たり約20㎏の生ごみを投入し、醗酵処理している。製造した堆肥は、町内の農家に無償で提供。約10アールのの畑でレタスやホウレンソウを生産している。22年6月から収穫した野菜を村岡ファームガーデンに納入し、レストランのサラダバーのメニューに加えることで食品リサイクルループも構築した。

■真空乾燥機で残さを飼料にリサイクルへ
 京菓子の製造・販売を手掛ける㈱鼓月(京都市)は、2011年1月から、本社工場敷地内に真空乾燥機を導入し、これまで全量廃棄していた食品残佐のリサイクルに乗り出す。製造ロスや賞味期限切れの菓子など年間約83㌧発生する食品残さをすべて乾燥処理し、養豚用の飼料原料として販売する計画。今回導入する設備の処理能力は300㍑/日。生産される年間33.2㌧の乾燥残さは、養豚用の飼料原料として有価で販売。設備導入に伴う費用は、総額約2000万円。
うち4分の1を「京都府産業廃棄物発生抑制等促進事業費補助事業」の補助金で賄う。

■市から受託増で剪定枝の扱い量が1000㌧超へ
 事業系一般廃棄物を主に堆肥化事業を展開する㈱ロイヤルアイゼン(愛媛県松山市)は、松山市から受託している剪定枝の取り扱い量が拡大し、2010年度は1400~1500㌧に達する見込み。
 同社は2009年から剪定枝の堆肥化を市から本格的に受託するようになった。移動式の破砕機で処理し堆肥化の調整材及び高温醗酵促進剤として活用する。初年度で560㌧以上を堆肥化している。
 市は、公園や道路、学校などで発生する剪定枝を直接同社の総合リサイクルセンターに搬入。
 市の南クリーンセンターには剪定枝保管ヤードが設けられており、市民や事業者が持ち込んだ剪定枝は、一次貯留された後、同社が引き取る。

■民間の知恵―ごみ処理コストを下げる提案
 神奈川県平塚市を本拠地に、8市5町で一般廃棄物の収集運搬業を展開する㈱クリーンサービスは、自ら処理・リサイクル施設を持たず、物流拠点を軸に高効率の収集運搬を追求することで、排出事業者に対して安価で質の高いサービスの提供を目指している。排出事業者には「ごみのコストを下げる方法」のリーフレットを配布。①発生量・品目、②品目ごとの処理コスト、③コストを下げる方法、の3点を知ってもらうことをポイントに、1㎏単位で計量できるパッカー車による回収、処分費・運搬費の料金の明確化、分別による処分費の削減など、さまざまな手法を提案している。
(以上月刊廃棄物№479.2011年2月号より)

■「2010年生ごみリサイクルフォーラムー市街地での生ごみ資源化の可能性を探る」から
「生ごみを臭くするのは誰?-人間それとも微生物?」生ごみリサイクル全国ネットワーク」福渡和子
 生ごみを分解する微生物についての基礎知識を説明し、生ごみを腐敗させ悪臭を出す微生物の活動を抑えるには、家庭で保管中に水分を取り、通気の良い状態で保管すること。可燃ごみに出す場合もごみが大幅に減り、エネルギーの節約、CO2の大幅な排出削減につながる。
「生ごみを堆肥原料の収集に出すことで解消した生ごみをめぐるご近所トラブル」所沢市民:菊一敦子
 カラスのトラブルが絶えない町内会で生ごみを半乾燥させ堆肥の原料に出すシステムをつくることによってトラブル解消。所沢市の資源化事業では、生ごみは集積所に置いた90㍑のフタ付き容器に、半乾燥させた生ごみを新聞に包むか、あるいはそのまま投入。週2回の回収で順調に進み、事業は拡大し、隣接の自治会にも収集の輪が広がっている。
「生ごみカラットで減量して新座市の半額補助品目」ごみ半減推進新座市民会議:嶋谷眞紀子
 インターネットで検索しカラットを購入。はじめは慣れず新聞紙を使いすぎたが今は扱いにも慣れ
 臭い生ごみから解放されて夏季も快適になった。ポイントは3つ。1つは野菜は水に濡らさないこと。先に洗う場合は簡単に水を拭き取る。野菜を溜めないよう排水溝の深い受け皿を浅い受け皿に変える。
 2つ目は、水切りするのは水分の多い茶葉。3つ目は生の魚や肉など動物系たんぱく質は腐敗が早いので収集日当日朝まで冷蔵庫で保管する。そして通気性容器カラットで保管すれば本当に悪臭が無いのがふしぎ。
「生ごみカラットで保管し直接土壌へ、野菜や花を育てる」FFC普及会員・葛飾区民:西江秀子
 通気のある生ごみカラットに新聞紙を敷いて少量の土を入れ、ざっと刻んだ生ごみを直接投入。家で精米しているので、生ごみを入れる時米ぬかを50g程度入れる。米ぬかを入れることで夏季は水分減量効果43.2%と非常に高く悪臭もなく、風乾効果を実感した。10日程度カラットで保管し、空地へ還し花を育てている。注意点としては、野菜くずや卵のカラは流しの排水溝へ落とさないよう浅い受け皿に変える。魚のアラや肉は、ネコやネズミの餌になりがちなので可燃ごみに出す。
「焼却ごみにおける生ごみについて」埼玉エコ・リサイクル連絡会:中澤啓子
 ごみのすべてを測定することは不可能なので集めたごみの一部を取り出して内容を測定している。「3成分」(水分、可燃分、灰分)と「ごみ組成分析結果」という2種類のデータである。
「ごみ組成分析結果」はごみを乾燥させて計量し割合を出したものなので、生ごみのように水分をたっぷり含んだごみ質の割合は大変少なくなる。多くの自治体はこのからから乾燥データでごみの組成を見ているので、紙ごみが最も多いと考えているが、実は生ごみの方がたくさんある。自治体の出すデータをよく確認することが肝要。

■下水汚泥を固形燃料化へ・・PFI優先交渉権が決定」
 大阪市は、平野下水処理場汚泥固形燃料化事業でPFI方式を導入するため、優先交渉権者を、電発・月島グループに決定した。此処で生産した固形燃料は全量、石炭火力発電所において石炭代替燃料と
して全量有効利用を図る。市は汚泥処理費用をサービス対価として事業者に払うほか、最終生成物(炭化燃料)を、1㌧当たり100円で買い取ることとしている。建設を予定している、設備は、低温炭化方式で日量33㌧-DS(溶解固形化)の設備1炉。稼働率は80%以上を条件づけられている。稼働開始は2014年からで、維持管理・運営期間は20年間。価格は約168億9127万円。

■一般廃棄物基本計画で生ごみ100%利用へ
 東京都町田市は、家庭系生ごみを100%資源化する内容を盛り込んだ一般廃棄物基本計画(中間答申)について、昨年12月21日から1月20日までパブリックコメントを実施した。中間答申は、今後10年間のごみの処理と資源化の方向性について、昨年、市廃棄物減量等推進審議会で検討を重ねた結果をまとめた内容で、11月に市長に提出された。計画最終年度の2020年度にごみ量を2009年度比で40%削減することや資源化率を2009年度の27.7%から56%まで引き上げることなどの数値目標を定めている。
 約2万7000㌧の発生量が見込まれる生ごみについては、100%資源化する方法として、発生抑制を図った上で、家庭用生ごみ処理機などを活用して各家庭で肥料などとして使ってもらう。
 使い切れない処理物を集めてペレット状に加工し、市内の農地で活用。それ以外の生ごみはバイオガス化する。

■スーパーマーケット全店でエコアクション21を取得
 兵庫県、大阪府を中心に約60店舗を展開する関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)は、2009年8月、「食品リサイクルエコアクション21」の認証・登録を全店舗で取得した。現在、
廃食用油、魚あら、牛脂の回収・再生利用に取り組んでおり2009年度のリサイクル率は40.5%を達成。10年から野菜くずの堆肥化に取り組みリサイクルループの構築を進めている。
 スーパーマーケット1店舗から排出される1日当たりの食品廃棄物量(09年6月時点の平均値)は、野菜くず約60㎏、魚あら約54㎏、牛脂約5.7㎏、廃食用油約9㎏、社員食堂の残さ3㎏、売り場の食品残さ約35㎏。
(以上月刊廃棄物№480.2011年3月号より)

 
 
           
    会報№30より抜粋
■生ごみ自家処理と雑がみの分別で減量化促進
 愛知県北西部に位置する小牧市(6万1640世帯)では生ごみ減量化に向け、容器を設置できる場所があり、できた堆肥を利用できる希望者に対し、コンポスト容器を7341世帯:基数1万2019基、密閉容器を1301世帯:基数2327基、家庭用生ごみ処理機は3万円を上限に購入価格の3/5を補助し、1889台に補助を行っている(いずれも1995年から2008年度までの各世帯への普及数)。3年ごとに各家庭にアンケート調査を実施し、市の税金で容器の提供を行うことの費用対効果を確認している。燃やすごみ(可燃ごみ?)の多くは生ごみと紙類が多くを占めているので、雑がみと生ごみに特化したパンフレットを作成し啓発活動を行っている。この他にも資源・ごみの分別早見表は50音順の辞書式で非常に見やすいのが特徴という。

■「全国食品リサイクル登録再生利用事務連絡会」は、2月19日、第一回全国定期会議を開催した。食品リサイクル法(以下、食リ法と略)の対象となる食品廃棄物の中でも再生利用等の実施率が低く課題となっているのが流通、小売等の業種から排出され、事業系一般廃棄物に区分される食品廃棄物である。現状では、その大半が市町村の焼却施設で焼却処理されている。食リ法が廃棄物処理法の上に位置づけされる特別法であれば、市町村に対し食品循環資源を焼却するのでなくリサイクルしなければならないとする義務付けをするべき。次の食リ法改正をターゲットに政策提案なり、中間報告をまとめて政府へ上げるなど具体的に前進させていきたい等の話し合いがあった。

■東京23区、廃プラスチック焼却で増える薬剤購入量
 東京23区では、廃プラスチックサーマルリサイクル(焼却)の影響で増加した酸性ガス処理のため苛性ソーダー等の中和剤の使用が増えた。杉並清掃工場の環境報告書によると2007年度の苛性ソーダー使用量が445㌧であったものが、廃プラスチックを焼却しはじめた2008年度では一挙に666㌧と33%も増加している。廃プラスチックの焼却が増えれば、苛性ソーダーや消石灰など中和剤の購入が増えるのも当然。ちなみに東京23区の清掃工場でごみ1㌧を焼却するのにかかる費用は公表されていないが、収集から最終処分までトータルで5万6000円といわれている。

■乾燥生ごみのリサイクルで再生利用事業計画の認定取得
中華レストランチェーンの㈱王将フードサービス(京都市)は、店舗から出る食品残さを乾燥、肥料化。協力農場で栽培された中国野菜“菜心”やキャベツを買い取りリサイクルループを構築。現在、全国91店舗に乾燥式生ごみ処理機を設置。2009年度中に110店舗まで取り組みを拡大する予定。各店舗は一次処理した乾燥生ごみを段ボールに入れ日野ドリームファーム(滋賀県日野町)に郵送。1ヶ月当たり約31㌧の肥料を製造し、協力農場で菜心やキャベツを栽培。収穫した野菜は全量買い取り、滋賀県、京都府、北陸地域の直営店舗で使用。

■一般廃棄物の積替保管許可で食品リサイクル分野に参入
 ㈱ダストマンサービス(西宮市全域の一般廃棄物と近畿一円の産業廃棄物の収集運搬を手掛けている)は、一般廃棄物の積替え保管の認可を取得。コンビニエンスストアなどから回収した食品廃棄物を保冷コンテナで一週間保管し、「野菜くず」「ご飯」「油もの」に分別し、一定量になった処で処理施設に搬送。養豚用の飼料にリサイクルする。

■横浜市、生ごみのバイオガス化実証実験を開始
 神奈川県横浜市は、2009年12月から約900世帯を対象に生ごみを回収しバイオガス化するモデル事業を実施。この取り組みはごみの処理やリサイクル事業を担当する資源循環局が下水道事業を担当する環境創造局と共同で実施。モデル収集した生ごみは、汚泥資源化センターに集め、下水汚泥とともにバイオガス化し、発電用燃料として汚泥資源化センターに集め、下水汚泥とともにバイオガス化し、発電用燃料として汚泥資源化センターや焼却工場で利用している。この実証実験結果をふまえ、生ごみの有効利用に向け2010年、具体的な検討に入るそう。 (以上 月刊廃棄物2010.4月号より)

■食品リサイクルループ形成し、CO2を95%削減
 アースサポート㈱(島根県松江市)は山陰地域に拠点を置き、一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬から食品や廃プラスチックのリサイクルなど、多様な分野を網羅し事業展開している。生ごみ処理プラントは、1日当たり12㌧の能力を持ち、液肥として再生利用している。2005年には自ら農業法人を設立し根菜を中心に栽培。高級食材店を展開する㈱ふくしまと組み、食品リサイクルループを構築し認定をうけた。同社の試算では、食品リサイクル構築で生ごみの焼却処理と比べ、CO2は95%削減される計算となるそうだ。

■一般廃棄物を受け入れ養豚事業も拡大
 食品残さの飼料化事業を行う(有)イガ再資源化事業研究所(三重県伊賀市)は、主に関西・東海地域の食品工場から出る製造副産物や期限切れなどの食品残さを1日当たり約40㌧回収し、液体飼料(リキッドフィード)を製造し、全量、自社が経営する養豚場「トントンファーム」 で使用している。牛乳など容器入り液体残さを分別機にかけ成分調整した後、野菜くずやパンくずと一定割合でブレンドし、スクリューコンベアで混合機に投入。6時間かくはんし発酵を促進した後、タンクで熟成。1日当たり35㌧製造している。ブレンド行程が中心で熱を加えず処理するため、CO2の発生抑制とランニングコスト、処理費用の削減につながるのが特徴。

■年間400㌧の堆肥をつくる島内のリサイクル拠点
 食品残さと伐採木を主原料に堆肥を製造する(有)タムラリサイクルセンター(香川県小豆島町)は、年間400㌧の堆肥を生産し、農協関係や園芸関係者、農家に販売している。果樹農家ではミカンの糖度が3%上がったケースもあった。受け入れた伐採材は6mmまで破砕し、煮出し後の昆布や大豆の切りかす、食品残さと混ぜ合わせ撹拌・発酵を繰り返し、2~3カ月間、約70℃の室内で保管。においの少ない堆肥が完成する。 
■生ごみの自家処理で年間(4人家族の世帯で)593.63㎏のCO2を削減。
 NPO法人生ごみリサイクル全国ネットワークが試算。くわしくは「生ごみリサイクルのゆくえ」(48頁 2010-5月号)、会報№29を参照       (以上 月刊廃棄物2010.5月号より)

■千葉市、バイオガス化の可能性検討へ
千葉市は焼却処理量の1/3、重量にして約10万㌧を削減し、現在3ヶ所ある焼却工場を1基減らし、2焼却工場による処理体制の構築をめざし、その目標達成に向けて家庭生ごみの分別収集及びバイオガス化処理の可能性を検討するためのモデル事業を始めた。2007年、約870世帯を対象に分別収集モデル事業を実施。収集した生ごみ量は合計423.4㌧。まず各家庭で生ごみを分別し、毎週2日間の可燃ごみ収集日に黄色い生ごみ専用袋に入れてごみステーションに出す。生ごみは市内の民間施設・バイオガス化施設に搬入し、メタン発酵させ、発生したガスを精製し、隣接製鉄所の燃料ガスとして供給。メタン発酵後の残さは、施設内のガス化溶融炉で精製ガスやスラグとしてリサイクルされるため、搬入物は全量資源化されているそうだ。3年間のモデル事業で概ね良好な結果が得られたことから、実証データをもとに効率的な収集運搬や費用対効果の分析、更にはコスト負担の一層少ないごみ削減の方法を盛り込んだ計画策定に向け現在、検討中。

■小金井市、乾燥生ごみの戸別収集を開始
 人口約11万5000人を擁する小金井市の可燃ごみを焼却してきた 二枚橋衛生組合が施設の老朽化により焼却炉を停止したため(2007年3月)、同年4月以降、小金井市は多摩地域の市・町・一部事務組合に可燃ごみの処理を委託している。同市可燃ごみの約60%を占める生ごみの減量を最大の課題として、処理機の導入促進によるオンサイトでの減量と、処理機で生成された乾燥生ごみの堆肥化に力を入れている。2007年4月には、生ごみの減量を促進するため、生ごみ処理機器への補助をそれまでの補助率50%、上限3万円を、80%、5万円へと大幅に嵩上げした。現在、処理機を設置しているのは、全市5万5000世帯のうち、約3100世帯に達している。一方、学校等公共施設や集合住宅向けには業務用処理機を、5月現在23ヶ所に設置している。2009年度からは、業務用処理機についても、事業所向けに購入費の1/2、上限100万円とする助成制度を設け、民間の保育園や福祉施設に数件の補助実績がある。生ごみの減量化だけでなく、循環型の取組を進めるため、2006年度から、処理機で生成した乾燥生ごみを回収、堆肥化し、ペレット化した製品を市内農家や一般市民に無料配布している。更に小金井市は地産地消を進めるため、リサイクル堆肥を使って育てた作物を市内小売店で販売する方向で食循環の構築を進めている。この構築に向け2010年9月までに、生ごみ処理機で生成した乾燥生ごみの戸別回収を実施する予定。

■町田市、処理機の設置を推進
 町田市は「ごみを燃やさない、埋めない、つくらない」の理念のもと、市民を主体とした取り組みを積極的に展開している。2001年、市営住宅対象にバイオ型生ごみ処理機(40㎏/1日)を3台導入。2004年には3台導入。2007年には6台を導入し、その結果を踏まえ2008年度には、「10戸以上で構成される団体(町内会、自治会、団地アパート)に大型処理機を無償貸与する制度」を設けた。この制度は概ね好評で2001年からの累計では、9年間で計952世帯を対象に23台の処理機を設置。この制度は2009年から急速に増えており、市民に生ごみリサイクルの意識が浸透してきたそうだ。経費的には、30㎏の処理機で設置にあたって電気工事費などに50万~100万、1台につき月5万円のリース料とメンテナンス費用、1月約1万円の電力費がかかるが、その全額を市が負担している。

■川崎市、生ごみリサイクルプランを推進
川崎市は市民・事業者の協働で、生ごみの排出抑制とリサイクルをめざす「かわさき生ごみリサイクルプラン」を2007年に立ち上げ、2015年までに1人1日当たり100gの生ごみ減量を達成、これにより市内に4ヶ所ある焼却工場を1ヶ所閉鎖し、3処理センター体制を実現するための総合的な取り組みを始めた。まず、市内5つの小学校と多摩・麻生区役所の生ごみ、年間約20㌧を東京農大のリサイクル研究プラントで肥料化し、その肥料は学校菜園で使う以外に市内農家にも試験的に使ってもらい、その量は年間約3㌧になる。2010年より市内小学校3校で飼料化のモデル事業にも取り組む予定。

■家庭生ごみ対策に学識者からのオブジェクション
 ・家庭内では通常、生ごみは他の可燃ごみと分けられている。ところが可燃ごみの収集日になると、他の可燃ごみを入れた袋に入れて出している。家庭内では分別されていた生ごみを、わざわざ可燃ごみと混ぜて出させるのでなく、自治体が資源化施設を整備して有効利用できるようにした方が望ましい。
 ・市町村は生ごみ処理機器に補助金を出して各家庭への導入を進めているが、生成した乾燥生ごみを可燃ごみとして収集するだけの自治体が多い。家庭に努力を求めるなら生成したものを有効活用し、資源として活用するべき。
・自治体は家庭用生ごみ処理機器の購入を補助するだけでなく、購入後、実際に使っているかの追跡調査をする必要がある。
・生ごみを可燃ごみと分けて処理することは、生ごみ以外の可燃ごみを高効率発電等へ利用しやすくなるというメリットがある。そのことも踏まえて施策を考えるべき。

■2008年度一般廃棄物の排出及び処理状況等について
  環境省は、全国の市町村及び特別地方公共団体に対し「一般廃棄物処理事業実態調査(2008年度)」を行い、2008年度全国の一般廃棄物(ごみ及びし尿)の排出及び処理状況等について公表した。くわしくは(44頁~47頁 2010-6月号)を参照

■焼却以外の生ごみ処理と資源化―循環資源研究所所長村田徳治
  ごみ処理行政は、住民が納得して受け入れる焼却以外の資源化処理技術を開発しないまま、ごみ焼却を強引に推し進めてきた。しかし此処にきて生ごみから発生するメタンを都市ガスとして使用するなど地球温暖化防止に寄与する取り組みをはじめる自治体も出てきた。下水道は建設相(現国土交通省)、都市ごみ処理は厚生省(現環境省)と縦割り行政により分割され非高率な投資と管理が長く続けられてきた。以下略。
 新潟県長岡市では、1999年から下水汚泥消化施設から発生するバイオガスを場内で精製・熱量調整し、北陸ガスへ都市ガスの原料として供給してきた。さらに家庭系・事業系生ごみからのバイオガス回収によって地域エネルギーの創出を図る。この事業の中核となるバイオガス化施設は、生ごみをメタン発酵させガスを回収するもので、65㌧/日を想定している。
 兵庫県神戸市は、2010年から下水処理で生じた汚泥や食品ごみを分解し生じるメタンガスを、都市ガスの配管に流す試みを始める。化石燃料の使用量を減らし地球温暖化防止対策となる事業である。下水処理施設の設備を更新する際に「バイオガスの利用」をうち出した。処理場には40万人分の下水が1日16万㌧集まり、汚泥の発酵だけで1万m3のガスができる。 これを市の公用車やごみ収集車に供給するほか処理場内の空調や消化タンクの加熱に活用してきたが、それでも余る半分近くのガスを、大阪ガスの配管に入れる計画。2000戸分の家庭のガス使用を賄える計算で、2010年度中に供給を始める予定。年間1200㌧分のCO2削減になるという。以下、東京都の事例、メタン発酵法(嫌気性発酵法)の問題点等については(月刊廃棄物68頁~73頁 2010-6月号)を参照。

■リサイクルループ確立で認定
 堆肥化事業を展開する㈱みえエコくるセンター(三重県津市)は、○大手スーパーマーケットチェーンのマックスバリュ中部(松阪市)、鈴鹿大地の耕作人(鈴鹿市)、なずな農園(岐阜市)、農事組合法人伊賀の里モクモク手作りファーム(伊賀市)等と食品残さリサイクルループをつくりあげ、再生利用事業計画の認定を受けた。これにより2010年中に日量20㌧の受け入れをめざす。

■登録再生利用事業者認定で飼料化施設の受け入れ拡大
 中部有機リサイクル(名古屋市)の名古屋エコフィードセンターは、1日当たり36㌧の原料を受け入れ7㌧の飼料を製造する規模で、2010年から、食品循環資源の受け入れを本格化。製品の「ドライエコフィードP1」は、県内の畜産農家に出荷し、畜産物を排出源の店舗に還元する地産地消のループを構築している。

■店舗の残さをリサイクル
 ラーメンチェーン店を経営する㈱幸楽苑(群馬県郡山市)は、補助金を活用し店舗内に乾燥式処理機を設置し、乾燥生ごみを段ボール箱に入れ、(有)諸原商店(滋賀県大津市)が運営する「日野ドリームファーム」に郵送。日野ドリームファームは乾燥生ごみを原料に堆肥を製造し、農家に供給している。これまでほとんど焼却処分していたが、将来的には食品リサイクル率を40%まで伸ばしていく予定。
(以上 月刊廃棄物2010.6月号より)

■生ごみカラットに出会ってー“見直そう・ごみ半減”推進新座市民会議 嶋谷眞紀子
・生ごみカラットとの出会い
・生ごみの計量、1人1日当たりのごみの量
・ミニ出前講座
・購入費補助に、補助金の対象に
・ちりも積もれば山となる。詳しくは「生ごみリサイクルのゆくえ」(24頁~27頁 2010-7月号)を参照

■食品リサイクル産業育成策の提言―見えてきた課題解決の方向性―
 食品リサイクル法の趣旨に則った食品リサイクル事業が円滑に進む環境の整備を求めて、2009年10月に発足した「全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会」が、課題解決に向け、定例会を重ねている。
 定例会の収録から。
・食品リサイクル法は、税金を使って燃やしていた食品残さを燃やさないようにしましょうという方向性を示したが、それ以上の制度設計がなされていないため「こうした方が良いですよ」という程度の推進法に止まっている。もう少し具体的に、いつから、このように罰則がかかるということを明確にしてもらいたい。
・市町村の焼却料金と競合するため、焼却の費用が基準になって、民間のリサイクル料金まで抑えられてしまう。自治体は廃棄物の処理にかけているコストを明らかにし、焼却にどれくらいの費用がかかっているかを明らかにすることが必要。

■コーヒーかすを買い取りコークスの代替燃料に
 各種廃棄物の総合管理を手掛ける㈱エムコ(東京都港区)は2008年10月から、コークスの代替燃料として、飲料メーカーからコーヒーかすを買い取り、週に20㌧をバイオ燃料として大手総合化学メーカーに提供。2009年8月から本格事業化。

■厳しい自主基準を設けて生ごみを土壌改良材に
 ㈱五十嵐商会(東京都練馬区)は、都内近郊の小中学校、保育園、レストラン、福祉施設、特別養護老人ホームなど約180カ所から、1日当たり5㌧の食品廃棄物を受け入れ、微生物「内城菌」を使って土壌改良材にしている。食品廃棄物70%に水分調整材として米ぬか30%を加え、総量に対して1万分の1の内城菌を添加して高温高速で発酵、乾燥させて特殊肥料「リブァイブ練馬」を製造している。また練馬区立小中学校の給食残さを内城菌により高温発酵、乾燥した菌体コンポスト(70%)に植物油かす、天然腐植、かき殻粉末、卵殻粉末などを加え成形ペレット化した土壌改良材「練馬の大地」も製造している。「リブァイブ練馬」は内城菌農法研究会経由の農家約350件、肥料会社、商社、ゴルフ場などに、「練馬の大地」はJA経由の練馬区の農家75軒、学校菜園97校に、それぞれ販売している。

■飼料化施設で食品残さの受け入れ1日90~100㌧に
 ㈱アルフォ(東京都港区)は、東京・城南島にある飼料化施設の2009年度受入れ量が、1日当たり90~100㌧に推移し、採算ラインを超えた。同社は、学校給食の残さ、ホテルやレストランなどから排出される事業系一般廃棄物を約80%、食品製造工場や食品加工工場から排出される残差を約20%の割合で受入れ、主に外食産業やスーパーマーケットからの受け入れ量が増えている。受入れ価格は、1㎏当たり23円。食品残さは、廃食用油を熱媒体として蒸気による間接加熱で食品残さに含まれる約80%の水分を乾燥処理し、分別機で異物を除去したものが、養鶏・養豚用の配合飼料原料になる。飼料原料は、商社を通じて配合飼料メーカーに販売している。

■離島に生ごみ処理機導入
 三重県鳥羽市は4月から、離島にバイオ式の生ごみ処理機を導入し、島内の生ごみ循環システム構築の取り組みを始めた。事業費は約4000万円。島内に焼却施設がある答志島以外の3島を対象に、神島と坂手島に1日当たり100㎏処理能力を持つ機種を各2台、菅島には同3台と50㎏の機種を1台設置。各家庭へは11㍑の水切りバケツを配布。処理機で発酵処理した一次処理物は、生ごみ100㎏に対し15~20㎏程度。町内会が堆肥を希望する家庭に配布し、その堆肥で育った作物を島内で消費することで循環システムを構築する。

■市民と行政の共働で資源回収、緑のリサイクルセンターが稼働
 トヨタ自動車のお膝元・愛知県豊田市は、2,005年に隣接する6町村と合併し、現在、人口は42万人、面積は県内第一位の918.47㎡に達している。市内にあるジャスコやアピタといったスーパーマーケットの駐車場などにリサイクルステーションを設け、現在21ヶ所で紙類、古布、ビン・缶、ペットボトルなどを常時回収できるようにした。また、集団回収を実施しやすくするため、資源を一時的に保管できる「リサイクルの家」の設置を推進し、206自治区で434ヶ所と、約6割の自治区が協力している。今後も実施地区を増やしていくため、市が最大限のバックアップをするため、年間600万円の予算を取っている。
 さらに可燃ごみを減量するため、剪定枝と食品残さなどを堆肥化する有機性廃棄物資源化施設「緑のリサイクルセンター」を2010年7月から稼働する。
同施設は1日当たり26トンの処理能力があり、刈り草や剪定枝と市内の小中学校から出る食品残さを堆肥化し、製造した堆肥を製品として販売する予定。

■循環型社会の虚構と現実―バイオガスの利用
 循環資源研究所㈱社長 村田徳治
 ・メタン発酵によるバイオガスの利用
 ・メタン発酵の基礎知識―メタン発酵反応―メタン生成菌の特徴
 ・2相式メタン発酵システム
 ・メタン生成系の展望―メタン発酵の問題点解決―今後の課題
 詳しくは70頁~75頁を参照
(以上 月刊廃棄物2010.7月号より)

■逗子市、既設炉を延命、生ごみは焼却回避をめざす
 神奈川県逗子市は今年3月、新たな一般廃棄物処理基本計画を策定。同市は、1981年からの稼働で老朽化している環境クリーンセンターの焼却施設について、基幹的設備改良によって10年以上延命させる方針。延命化している間にごみ減量化・資源化を図ることを打ち出している。燃やすごみのうち、生ごみと植木ごみは燃やさず別の方法にシフトする考え。これにより、現在、年間搬入されている可燃ごみ1万6000㌧の63%を削減し、焼却量を6000㌧まで減らすことを目標としている。具体的な処理技術を現在検討中。
また、各家庭における生ごみ処理機の導入を促進するため購入補助率を2010年から2/3に引き上げた。
さらに自治会や集合住宅向けの大型生ごみ処理機の導入についても補助制度を設け各地域への普及を進めている。

■三成分とごみ組成分析結果―埼玉エコ・リサイクル連絡会 中澤啓子
 日本では一般廃棄物として出されるごみの約80%が焼却されている。その内容は「三成分」と「ごみ組成分析結果」という2つのデータで報告されている。多くの自治体は「ごみ組成分析結果」を焼却ごみの内容としている。しかし、これはごみを乾燥させて計量し割合を出したもので、生ごみのように水分をたっぷり含んだごみの場合、見かけが大変少なくなる。これを乾ベースと云っている。
 これに対し水分を含んだまま測定するのが湿ベース。この方法で測定している自治体もある。この場合、生ごみの水分が紙や布などに付着した値になる。湿ベースでのごみの種類別の水分を測定した東京都環境科学研究所によると、紙ごみは水分41%、繊維は50.86%という結果で、生ごみの水分が紙や布に移行していると考えられ、測定値の差が大きい。
 では、実際に家庭から出た状態に近い値を推計するには、どうしたらいいのだろうか。
 くわしくは「生ごみリサイクルのゆくえー焼却ごみの内容について」(32頁~35頁 8月号)

■食品残さの自己完結型のリサイクルシステムを構築
 神奈川県横浜市を中心に廃棄物の処理・リサイクル業を展開する武松商事㈱は、食品残さを飼料化し、自ら運営する養豚場で給餌し、豚の出荷まで、さらには農産物の栽培までを一貫して行う、独自の食品リサイクルループ構築を進めている。
 横浜市磯子区内の工場に、食品残さを蒸気間接加熱方式で乾燥・飼料化する施設(㈱共立製)をオープンした。一般廃棄物の生ごみと産業廃棄物の動植物性残さを受入れ、粉砕した残さは1バッチごとに400㎏を約40分間で乾燥させた後、脱脂機で油分を搾り取り、異物を除去したのち、千葉の自社が経営する養豚場へ持ち込み、市販の配合飼料に対して3,4割の食品残さ飼料を配合、さらに有価で買い入れたパンくずを配合することで肉質を高めている。枝肉の格付けでは上物率が6,7割に達しているそうだ。さらに豚舎の使用済み敷料は、場内にある堆肥化プラントで全量を堆肥化し、農産物の栽培に使う。今後、スーパーマーケットやホテルとともに食品リサイクルループの構築を進めていく方針。

■行政と一体の収集システムで生ごみ飼料化事業が黒字転換
 三造有機リサイクル㈱(札幌市)は、市内から出る事業系生ごみ年間約1万7000㌧以上(同市内から出る事業系生ごみの約7割)を受入れ、飼料化しているが、昨年、黒字経営を実現した。
 同施設は、事業系生ごみを油温減圧脱水方式(てんぷら方式)で脱水乾燥し、家畜飼料原料であるフライドミールを製造。処理能力は1日当たり68㌧。脱水乾燥した再生品は1日当たり約13㌧生産され、配合飼料メーカーに供給。ランニングコストが1㌧当たり約数千円で、処理料金と製品販売を合わせて1㌧当たり1万数千円の収入があれば経営的に採算レベルに乗る計算。同社と同じてんぷら方式を採用し飼料化事業を展開している京都有機質資源㈱や㈱アルフォと3者で勉強会を発足。

■バイオガス設備を超高層ビルに納入
 ㈱竹中工務店は、㈱神鋼環境ソリューションなどと共同で「都市型バイオガスシステム」を実用化し、2014年完成予定の超高層ビル「阿倍野橋ターミナルビルタワー館(仮称)」(大阪市)に納入する。同システムは、複合商業施設に入居する飲食店の生ごみを配管で地下に集め、発酵槽でメタンガスをつくり、精製後、都市ガスと混合し、冷暖房や給湯に使用するもの。排水もトイレなどで再利用する。
地上60階建て、高さ300mのビルに長さ400mの管を通して地下設備と接続。1日に出る生ごみは3㌧、飲食店排水は700㌧を想定している。

■食品リサイクル網拡大、循環型農業事業で新会社
 ㈱イトーヨーカ堂は5月、農業事業の中核子会社、農業生産法人セブンファームを設立し、全国で農場と食品リサイクル網の展開に乗り出すことを発表した。同社は2008年6月、千葉県富里市で農業生産法人「セブンファーム富里」を地元農協や生産者との協同出資で設立し、直営農場運営と食品リサイクルの事業モデルを構築してきた。県内店舗から出る食品残さを回収、堆肥化しセブンファーム富里で使用し、収穫した野菜を残さを回収した店舗で販売している。この完全循環型農業を、2013年2月末までに全国10ヶ所へ拡大する。

■木材チップから水素ガスを製造するプラント建設へ
 石油販売業の㈱新出光(福岡市)は6月、間伐材などのバイオマス資源から水素ガスを製造する世界初の商用プラントの立地協定を福岡県大牟田市と結んだ。2012年の操業開始をめざす。同市のリサイクル産業団地「大牟田エコタウン」の1区画(8950㎡)に、高さ35mのタワー型水素製造設備と、水素ガスを精製する工場等を建設する。1日15㌧の木材から約7200●の高純度水素を製造する。試算では、天然ガスから製造する場合と比べ、二酸化炭素排出量を75%削減できるそうだ。水素ガスは、半導体の製造過程で同ガスを用いるメーカーなどに販売。将来的には家庭用燃料電池や燃料電池自動車への供給も考えている。
(以上 月刊廃棄物2010.8月号より)

■生ごみリサイクルの課題-仙台生ごみリサイクルネットワーク会長 山内文男
 当ネットは、仙台市と提携して実践講座や出前講座、イベントへの参加など家庭の生ごみ処理を主体に活動してきた。家庭でできる堆肥化法としてコンポスター、密閉バケツ、電気式処理機、段ボール箱を使った方法を普及している。仙台市が1992年から2009年まで、前述の4種類に補助金を出した件数は3万8714件で、出前講座に参加した人は2095人にのぼる。このうち継続して使っている世帯はどれ位になるだろう。仙台市人口104万人、約45万2000世帯になる。補助を受けた世帯の半分約1万9000の世帯が使っていると考えても45万世帯の4%である。ある町では、継続して使っているのは1%に満たないそうだ。仙台市でも案外その程度かもしれない。やはり基本的には自治体が主体となって地域に賦存するバイオマスを把握し活用するのが有効であろう
くわしくは「生ごみリサイクルのゆくえー焼却ごみの内容について」(82頁~31頁 9月号)

■汚泥炭化施設を増設し、火力発電所に燃料として供給
 東京都は東部スラッジプラント(江東区)にある汚泥炭化施設を増設する。増設規模は日量300㌧で建設費用は約58億円。維持管理、運営(20年間)に東京電力と子会社のバイオ燃料㈱グループが決定。脱水汚泥を年間8万8000㌧再資源化し、火力発電所に代替燃料として供給。石炭使用量を減らすことで年間2万9000㌧のCO2削減につながるという。
(以上 月刊廃棄物20109月号より)
 
 
       
    ●生ごみ分別回収に着手
 京都府京都市は、昨年10月から市内2400世帯を対象に生ごみの分別回収を開始した。生ごみは、同市伏見区で稼動中のバイオガス化実証プラントに搬入。約1年間の実験結果を踏まえて効率的な収集方法を検討し、回収エリアを市内全域に広げる方針。 生ごみは、週2回の可燃ごみ回収日に合わせて収集している。町内会やマンション管理組合など24団体が参加しており、各世帯に90枚の専用袋を配布した。実験期間中、インタビューやアンケートを通じて、世帯別の排出状況、家族構成、生ごみの保管方法などを調査する。 バイオガス化実証プラントの処理能力は1日当たり3tで、1t当たり毎時120~240キロワットを発電する。今年1月から生ごみと合わせて分別回収する紙オムツ、包装紙、汚れた紙なども処理し、ガス発生量と再資源化率の向上を目指す。 市北部の農村地域の200世帯に対しては、業務用生ごみ処理機を無料で貸し出している。自治体単位で処理機の管理体制や堆肥の使用方法を決めることで、京都市のモデルケースに発展させる。完成した堆肥は性状分析後、4月に施肥する。 同市は昨年9月、家庭ごみの構成分析と重量測定を開始した。今後は実験回収を紹介するニュースレターや分別マニュアルを発行し、取り組みに持続性を持たせていく。 (月刊廃棄物2009-1)

●バイオマスタウン構想 肥料化など4事業
 群馬県富岡市は、主要4事業で構成するバイオマスタウン構想の素案を公表した。生ごみと家畜排せつ物の堆肥化などを事業内容とし、利活用するバイオマス別の目標利用率で廃棄物系99%に設定した。年度内に国の認定を求め、事業化に向けた推進体制を来年度に構築する。 4事業は①肥料化推進、②バイオ燃料化、③未利用バイオマス(選定枝)利活用、④し尿・浄化槽汚泥からのリン回収活用。肥料化事業として、事業系・家庭系生ごみや家畜排せつ物を新設する施設で堆肥化し、家庭系生ごみは地域に置く処理機での分解・液肥化も併せて推進する。バイオ燃料化では、油脂資源作物の菜の花やひまわりを耕作放棄地で契約栽培し、バイオディーゼル燃料や回収対象となる食用油を製造する。 (月刊廃棄物2009-1)                                

●環境に優しい燃料BDFピンチ 原料の廃食用油足りない(福島県) 
 環境保護に役立つと注目を集めているバイオディーゼル燃料(BDF)の原料となる廃食用油の確保が、県内の製造設備で困難になっている。県外の業者が飼料用として高値で県内に買い付けに来るケースが増加、食用油の値上がりで廃食用油の排出量自体が減っているのも要因とみられる。 関係者は「高まってきたエコの機運を消したくない」と廃食用油の確保に全力を挙げている。BDFを精製している須賀川市の「(株)ひまわり」は廃食用油の大口回収先を飼料製造業の他県業者に奪われたことなどから、2006年に年間8万リットル精製していたBDFが、2007年は約7万3000リットルまで減少した。 同社は1リットル当たり2円で回収しているが、飼料製造はBDF精製よりコストが安くできるため、県外の業者は1リットル25円程度の高値で買い取っているという。  (月刊廃棄物2009-1)

●食品残さから年間1600tの飼料を製造
 九州食品工場リサイクル事業協同組合(佐賀県神埼市)は、九州圏内の弁当工場などから出る食品残さを受け入れ処理、2007年度で年間1600tの飼料を製造している。製造された飼料は1kg当たり30円で畜産農場に販売されている。 食品工場から出るパンや麺類、野菜くずなどの食品残さは調理加工の中で廃棄され、賞味期限が近いため廃棄されたもので品質的には製品と同等。これを捨てずにエコフィードとして活用する。排出段階で低温保存され、冷房車で収集運搬、工場に搬入する。破砕しながら、栄養価を壊さないよう水分を飛ばし、乾燥。粒度を調整し、貯蔵ホッパーへ。出来上がった製品は畜産農場で配合され、飼料となる。2007年度の年間処理量は5200tだった。 (月刊廃棄物2009-2)  
                                           
●茶葉乾燥に間伐材を使用 3年後の試験導入目指す
 京都府宇治田原町と京都府立大学は、同町の特産である茶葉を乾燥する際の重油代替燃料として、間伐材を活用する方向で検討に入った。現在、継続的に供給可能な間伐材の量などを掌握する調査を実施。早ければ3年後の試験導入を目指す。同町と京都府立大学は2008年2月、地域振興や人材育成に取り組む協定を締結。その中で間伐材をお茶の加工燃料に利用する計画があり、町側と大学側の合同研究会を2008年7月に設立した。計画では、切り出された間伐材を圧縮・成型して固形燃料である木質ペレットに加工し、茶葉の乾燥に使用する。現在大学側が林道の整備状況、木々の植生などを調査。今後、量の見込みができた時点でモデルケースとして、一部の農家に試験的に使用していってもらうという。コスト面などで見通しが立てば、将来的に拡大していきたいとしている。 (月刊廃棄物2009-2)

●廃棄うどんの飼料化へ実証
 香川県は、廃棄処分される消費期限切れの乾麺と生麺を家畜の飼料に有効活用するため、2008年12月から2009年にかけて、県内の養豚場で実証試験を行う。 今回、飼料化される乾麺と生麺は、県内の製麺所へ返品された消費期限切れの歳暮商品など。不要製品の提供に協力的な製麺所から、養豚農家が収集するという。 製造方法は、一般のえさに10~20%の乾麺と生麺を混ぜて飼料化する。それを「讃岐夢豚」に与えて、肉質の変化などを見ていく方針。そこから価格や製品化を決定する。 うどんの主原料が小麦粉でトウモロコシと比べ、栄養面においても十分だという観点からトウモロコシの代替品として活用しようと着目した。廃棄物を有効活用することで、市販のエサと比べてコスト削減につながる。今後は、飼料化するには手間がかかるとされているうどん生地の利用も検討していく。 (月刊廃棄物2009-2)                              
●全国土の会が20周年 生ごみ搾油肥料を普及へ
 東京農業大学土壌学研究室が主催する全国土の会の20周年記念大会が昨年11月25日、世田谷キャンパスで開催され、乾燥した生ごみを搾油した肥料の公定規格化について、講演した東京農業大学教授の後藤逸男氏が「早期に指定有機質肥料として利用できるようにしたい」と抱負を語った。 後藤教授は、同研究室で14年前から生ごみリサイクルの研究に着手し、生ごみの肥料成分を生かすため、堆肥化せずに肥料として利用する研究を行ってきた。2002年からは東京農業大学のリサイクル研究センターに乾燥・ペレット化の自動化システムを導入。乾燥生ごみを搾油することで炭素化率を下げ、肥料として利用できるようにする手法を確立した。 現在は学内の食堂や世田谷区内の学校給食センター、スーパーマーケットのほか、神奈川県川崎市内の小学校などから生ごみを実験回収し、年間15tの食品循環資源再生材「みどりくん」を試験製造しているが、肥料取締法上の公定規格がなく、特殊肥料にも該当しないため、正式に肥料としては販売できない状態にある。成分的には「リン酸過剰土壌に最適な低リン酸肥料」(後藤教授)で、現在は全国土の会会員が試験的に使用している。 同会の会員は農家を中心に500人に達しており、みどりくんを使用した農家からは硝酸含量が少ない野菜や食味値の高い米が収穫されたなど、多くの成果が報告されている。この手法では、生ごみの投入から乾燥、搾油、ペレット化までを2時間で完了し、2次処理も必要としないことから、公定規格化により、都市型あるいはオンサイトのリサイクル手法として有力な選択肢になり得る。後藤教授は公定規格化後の展開について、「生ごみの乾燥にはエネルギーを使うため、ごみ焼却施設やホテル、百貨店のボイラーの余熱を使ったシステムを実用化していきたい」と語った。 (月刊廃棄物2009-2)

●緑のリサイクル施設着工 食品残さも再生利用
 愛知県豊田市は、市内で発生する刈草や剪定枝、食品残さを原料に堆肥を生産する「緑のリサイクル施設」について、2010年4月から供用開始する計画で準備に入った。施設の造成、建設に関する事業費は、約18億5000万円で、年間約5200tをリサイクルする。造成工事は河木興業(株)、建設工事は大和小田急建設(株)と安藤建設(株)の共同企業体が2008年11月に落札、正式契約を交わした。約8万㎡の用地を市内に確保。設備能力は、1日5時間当たり26tで、計画では1年間に刈草2800t、剪定枝1500t、食品残さ8000tを処理し、破砕・発酵・熟成の工程を経てリサイクル製品化される。食品残さは給食センターの発生物のほか、将来的には民間の給食工場からも受け入れを検討していく。運搬は、民間業者に委託する予定。  (月刊廃棄物2009-3)

●生ごみ液肥化で資源化とコスト削減を両立
 福岡県築上町は、現状で年間約5000t収集している可燃ごみのうち、約半数を占める生ごみを液肥化し、地元農家の水田に施肥して有効活用する方向で検討に入った。生ごみの液肥化は、し尿処理用に保有している設備を利用する案が有力。1994年から稼動している同設備では、エアレーションにより好気性発酵させる方式を採用しており、処理量全体の20%以内なら生ごみの投入が可能というデータがある。生成した液肥は地元の水田に供給、好評を得てきた。今後は、生ごみの分別収集システムや、施肥拡大のための道路整備のあり方などについて、具体化へ向けた煮詰めを図っていく。  (月刊廃棄物2009-3)
 
 
       
       
       
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